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🇯🇵 日本オーケストラレコ芸ONLINE · 2026年7月3日 10:31 · レビュー· 約1分で読めます

どこへ行く? アフターコロナのブラームス交響曲

どこへ行く? アフターコロナのブラームス交響曲

日本語要約
ブラームス交響曲第1番の初演150年を控え、コロナ禍以降の演奏様式を考察する。久石譲による「快速ブラームス」を端緒に、作曲家像の再定義を試みる。また、ブラームスの作曲技法をベートーヴェンではなくモーツァルトの系譜に位置づける分析や、アダム・フィッシャー、ネゼ=セガン、ガーディナー、井上道義らによる近年の録音を通じ、現代のブラームス演奏の多様な潮流を紹介する。
全文(日本語)

特別企画シリーズ「ブラームス 4つの交響曲」として、1876年の交響曲第1番初演から150年を記念し、コロナ禍以降の演奏様式について考察する。久石譲とフューチャー・オーケストラ・クラシックスによる「快速ブラームス」は、2020年2月の録音で全4楽章を約39分40秒で演奏し、作曲家像の再定義を促した。これはハンス・フォン・ビューローによる提示部反復を省略した演奏記録とも通底する。

ブラームスは「ベートーヴェンの交響曲第10番」と評されることを嫌ったが、筆者はブラームスの作曲技法がベートーヴェンよりもモーツァルトに近いと分析する。交響曲第1番第1楽章の主題構成は、モーツァルトの交響曲第41番《ジュピター》に見られる手法と共通しており、モーツァルト〜ブラームス〜シェーンベルクという系譜が示唆される。

近年の録音では、アダム・フィッシャーとデンマーク室内管弦楽団による古楽的アプローチ、ヤニック・ネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団による立体的なテクスチュアの提示、ジョン・エリオット・ガーディナーとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による透明感と濃密さを両立させた演奏が、新たなスタンダードとして挙げられる。また、井上道義と京都市交響楽団らによる全集は、重厚でありながらケレン味を抑えた演奏として注目される。その他、キリル・ペトレンコとベルリン・フィル、沖澤のどかとサイトウ・キネン・オーケストラによる演奏も現代のブラームス像を更新している。

▼関連キーワード解説 (6)
久石譲人物・団体Wikipedia ↗

久石 譲 は、日本の作曲家、編曲家、指揮者、ピアニスト。長女は歌手の麻衣。

ハンス・フォン・ビューロー人物・団体Wikipedia ↗

ハンス・ギードー・フライヘア・フォン・ビューロー は、ドイツの男爵で指揮者、ピアニスト。現在の職業指揮者の先駆的存在で、ビューローが登場するまで、作曲家と演奏家の分業化は明確でなく、オーケストラの指揮は作曲家自身によることが多かった。

ブラームス人物・団体Wikipedia ↗

ヨハネス・ブラームス は、ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者。J.S.バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)と共にドイツ音楽における三大Bとも称される。ハンブルクに生まれ、ウィーンに没する。作風は概してロマン派音楽に属するが、古典主義的な形式美を尊重する傾向も強い。

ベートーヴェン人物・団体Wikipedia ↗

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン は、ドイツの作曲家、ピアニスト。音楽史において極めて重要な作曲家の一人であり、日本では「楽聖」とも呼ばれる。その作品は古典派音楽の集大成かつロマン派音楽の先駆とされ、後世の音楽家たちに多大な影響を与えた。

モーツァルト人物・団体Wikipedia ↗

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト は、主に現在のオーストリアを活動拠点とした音楽家。

シェーンベルク人物・団体Wikipedia ↗

アルノルト・フランツ・ヴァルター・シェーンベルク は、オーストリアの作曲家、指揮者、教育者。調性音楽を脱し無調に入り、「十二音技法」を創始したことで知られる。アメリカに帰化してから1934年以降は、「アメリカの習慣を尊重して」"ö"(o-ウムラウト)を"oe"と表記したSchoenbergという綴りを自ら用いた。アメリカでは「アーノルド・ショーンバーグ」と呼ばれた。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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