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🇯🇵 日本オーケストラレコ芸ONLINE · 2026年6月12日 10:01 · レビュー· 約1分で読めます

使用楽譜からみるメンゲルベルク②

使用楽譜からみるメンゲルベルク②

日本語要約
音楽学者・内藤眞帆による指揮者ウィレム・メンゲルベルクの再批評連載第2回。メンゲルベルクが使用した楽譜の書き込みを基に、ベートーヴェンとブラームスの解釈におけるテンポ操作や表現の特質を分析する。
全文(日本語)

金曜連載「名演奏家再批評」の第6弾として、音楽学者・内藤眞帆がウィレム・メンゲルベルクの使用楽譜をもとに再批評を行う全4回連載の第2回。本稿では「伝統という名の自由:ベートーヴェンとブラームスに見るテンポ操作」をテーマに論じる。

メンゲルベルクは、自身のベートーヴェン解釈について、師フランツ・ヴュルナーを通じてアントン・シンドラーへと連なる系譜の継承を主張した。彼のベートーヴェン演奏に見られる柔軟なテンポの揺らしやモチーフの強調は、ヴュルナーの教えに由来するとされる。例えば交響曲第5番の総譜には、楽節構造を示す数字の書き込みや、オーボエのソロ部分への厳格な拍節の記入が見られる。

一方、ブラームスとは10代の頃に直接の接点があり、自身の《ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ》の演奏をブラームス本人に激賞された経験を持つ。しかし指揮者としてのブラームス解釈は極めて主観的である。交響曲第3番第2楽章では、総譜に「四分音符=100」「104–108」といった大胆なテンポ指示を書き込み、第80小節の「Tempo Primo=76」で収束させるという操作を行っている。

メンゲルベルクはフェリックス・ワインガルトナーやフリッツ・シュタインバッハら同時代の指揮者と交流し、解釈を比較検討する機会を持っていた。しかし、彼の指揮は一貫して「メンゲルベルク自身の物語」を語るものであり、その音楽の責任は彼自身に帰せられるものである。

▼関連キーワード解説 (7)
ウィレム・メンゲルベルク人物・団体Wikipedia ↗

ヨーゼフ・ウィレム・メンゲルベルク [ヨーゼフ・ヴィレム・メンゲルベルフ] は、オランダの指揮者。フランツ・ヴュルナーの弟子であるため、ベートーヴェン直系の曾孫弟子にあたり、ベートーヴェン解釈には一目を置かれた。

フランツ・ヴュルナー人物・団体Wikipedia ↗

フランツ・ヴュルナー は、ドイツの作曲家、指揮者、ピアニスト。リヒャルト・ワーグナーの『ラインの黄金』と『ワルキューレ』の初演を指揮した。ワーグナー自身はヴュルナーを気に入らず、ハンス・フォン・ビューローとヘルマン・レーヴィの指揮を好んだ。父は古典文献学者のフランツ・ヴュルナーで、弟に物理学者のアドルフ・ヴュルナー、子にテノール歌手のルートヴィヒ・ヴュルナーがいる。

アントン・シンドラー人物・団体Wikipedia ↗

アントン・フェーリ(ッ)クス・シンドラー(シントラー) は、モラヴィア出身のドイツの音楽家。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの伝記を記したことで知られていたが、後年になって内容の捏造や文章の改竄が疑われている。

ブラームス人物・団体Wikipedia ↗

ヨハネス・ブラームス は、ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者。J.S.バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)と共にドイツ音楽における三大Bとも称される。ハンブルクに生まれ、ウィーンに没する。作風は概してロマン派音楽に属するが、古典主義的な形式美を尊重する傾向も強い。

フェリックス・ワインガルトナー人物・団体Wikipedia ↗

パウル・フェリックス・ワインガルトナー、エードラー・フォン・ミュンツベルク は、オーストリアの指揮者・作曲家。

フリッツ・シュタインバッハ人物・団体Wikipedia ↗

フリッツ・シュタインバッハ は、ドイツの指揮者・作曲家。ヨハネス・ブラームスの作品を得意とした。

ロイヤル・コンセルトヘボウ会場Wikipedia ↗

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 は、オランダ・アムステルダムに本拠を置くオーケストラである。旧称はアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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