ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2026 リッカルド・ムーティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演を渡辺和彦がレビュー

ムーティの指揮で際立つウィーン・フィルらしさ
リッカルド・ムーティ指揮の「ブラ2」は、2019年1月30日シカゴ交響楽団の来日公演(東京文化会館)以来2度目だったが、全く印象が異なり別の作品を聴いているようだった。ウィーン・フィルによる「ベートーヴェンの2番」も2001年10月21日に「ベートーヴェン・ツィクルス」の一環でS.ラトル指揮で聴いた記憶があるが、オーケストラの編成(今回は14型=第1ヴァイオリン7プルト14人、前回はより小ぶり)も全体の印象も異なり比較にならず、この日のほうがウィーン・フィル「らしさ」が前面に出ていた。
2曲とも細部まで緻密で、ベートーヴェンでは冒頭のフォルテッシモ5オクターブに及ぶD音のぶっつけからオーボエ&ファゴットのメロディー等による長い序奏と、3分過ぎから登場する弦楽器群の主題のバランスが絶妙と評された。続くラルゲット楽章でも心地よい緊張が保たれていた。ブラームスは冒頭楽章の提示部反復や、第2楽章アダージョ・ノン・トロッポの丁寧な演奏もあって50分近い演奏となった。トロンボーンの弱奏やヴィオラとチェロの副主題の感触にはオーケストラの特性が感じられ、第2楽章も明るく軽いロ長調の響きでスタートし、小粋な第3楽章を通過して展開した。
巨匠指揮者による2曲の名演とともに「ウィーン・フィルのベートーヴェン、ブラームス」が堪能され、アンコールで演奏された「天体の音楽」もブラームスと相性が良く極上のデザートとなったと評している。(渡辺和彦)
【公演データ】
ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2026
リッカルド・ムーティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
11月7日(土) 16:00 サントリーホール 大ホール
指揮:リッカルド・ムーティ
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
プログラム:
ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 Op.36
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73
アンコール:
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「天体の音楽」Op.235
