LFコンサート
LF CLASSICWorld Classical Music News
MENU
♪
Portal
メニュー
Category
カテゴリ
Sources
情報ソース
🇯🇵 日本オーケストラレコ芸ONLINE · 2026年7月2日 10:02 · レビュー· 約1分で読めます

バッティストーニ&東京フィルの注目録音 リヒャルト・シュトラウス《アルプス交響曲》を聴く

バッティストーニ&東京フィルの注目録音 リヒャルト・シュトラウス《アルプス交響曲》を聴く

日本語要約
アンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団によるリヒャルト・シュトラウス《アルプス交響曲》の録音レビュー。劇場で培われた劇的構成力と情景描写が光る一方、明晰な造形により作品の形而上的な側面を浮き彫りにした演奏である。
全文(日本語)

リヒャルト・シュトラウスが山の一日を題材にした《アルプス交響曲》は、15歳の時の山歩きの記憶が構想の原点となり、1915年に単一楽章の交響曲として結実した。バッティストーニ指揮・東京フィルによる本盤は、この一作品のみを収録した勝負作である。両者はこれまでベートーヴェンやマーラーの録音を重ねてきたが、シュトラウスは今回が初となる。イタリア・オペラ畑で育ったバッティストーニと、新国立劇場を中心に舞台作品を支えてきた東京フィルの組み合わせは、標題音楽である本作と高い親和性を見せる。

演奏の美質は随所に表れる。〈頂上にて〉では、オーボエの牧歌的な旋律から金管を軸とした響きの厚みで堂々たる頂点が築かれる。〈雷雨と嵐、下山〉の場面では、激烈な箇所でも各主題が混濁せず明晰に鳴り渡る。ただし、その明晰さゆえに対位法的な混沌の凄みはやや後退し、整いすぎた印象も残る。

本盤の真価は、激情よりも内省の領域にある。〈哀歌〉と〈終末〉において、オルガンを擁する響きが精緻に彫琢されており、オルガンが沈黙する箇所までもが透徹している。重厚さや官能ではなく、透明な彫琢と構造の明晰さによって、シュトラウスが登攀に託した形而上的な探究を照らし出している。冒頭と末尾の〈夜〉は、物質世界と形而上の世界を繋ぐ円環として全曲を縁取っており、演奏全体を貫く明晰な美学を指し示している。

【ディスク情報】

R.シュトラウス:アルプス交響曲

アンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団

録音:2025年9月(ライヴ)

レーベル:デンオン(COCQ85655)

▼関連キーワード解説 (3)
アンドレア・バッティストーニ人物・団体Wikipedia ↗

アンドレア・バッティストーニ は、イタリア出身の指揮者、作曲家。

東京フィルハーモニー交響楽団人物・団体Wikipedia ↗

公益財団法人東京フィルハーモニー交響楽団 は、日本のプロオーケストラ。略称は東フィル(とうフィル)。日本オーケストラ連盟正会員。

新国立劇場会場Wikipedia ↗

新国立劇場 は、東京都渋谷区本町一丁目にあるオペラ、バレエ、現代舞踊、演劇の劇場。日本芸術文化振興会が設置し、公益財団法人新国立劇場運営財団が委託を受けて運営をしている。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
あわせて読みたい
次に読むなら
アンドレア・バッティストーニ の他の記事
🇯🇵 日本オペラレビューGoogle News JP オペラ29/25 17:02
東京二期会がヴェルディのオペラ「運命の力」を新国立劇場で上演(劇評)
東京二期会のヴェルディ「運命の力」…破滅不可避示す強烈な「神」 - 読売新聞
東京二期会がボン歌劇場およびウェールズ・ナショナル・オペラとの提携でヴェルディ「運命の力」を新国立劇場で上演した。デヴィッド・パウントニーの演出では「運命の神」を登場させ、戦争賛美の場面の戯画化や戦争映像の投影が行われた。5日公演ではレオノーラ役の大村博美による安定した歌唱が印象に残り、八嶋恵利奈指揮の東京フィルハーモニー交響楽団がバランスを整えたと音楽評論家の安田和信は評している。
デヴィッド・パウントニー大村博美新国立劇場
🇯🇵 日本オーケストラニュースGoogle News JP オケ東京19/11 11:02
東京フィルハーモニー交響楽団によるBunkamuraオーチャードホール休館直前のファイナル公演『ニューイヤーコンサート2027』の開催が決定
Bunkamuraオーチャードホール休館直前のファイナル公演『東京フィルハーモニー交響楽団 ニューイヤーコンサート2027』開催決定! - jiji.com
Bunkamuraオーチャードホール休館直前のファイナル公演として、「東京フィルハーモニー交響楽団 ニューイヤーコンサート2027」の開催が決定した。Bunkamuraと東京フィルが贈る、名曲で新年の幕開けを祝うコンサートとなる。
東京フィルハーモニー交響楽団Bunkamuraオーチャードホール
🇫🇷 フランスピアノインタビューGoogle News JP コンクール9/5 03:32
ピアニストのキム・セヒョンが初のアルバムでフォーレとショパンを演奏
キム・セヒョン(Saehyun Kim)が弾くフォーレとショパン――ロン=ティボー優勝ピアニストが初アルバムを語る - Mikiki by TOWER RECORDS
2025年ロン=ティボー国際コンクール優勝者のキム・セヒョンが、パリに縁のあるフォーレとショパンを収録した初アルバムをリリースする。ショパンの「エチュード Op. 25」やフォーレの初期作品、自身の編曲による歌曲などを収録。現在はニュー・イングランド音楽院とハーバード大学で学び、2027年2月にはチョン・ミョンフン指揮の東京フィルハーモニー交響楽団との共演も予定されている。
キム・セヒョンダン・タイ・ソン
アンドレア・バッティストーニ の記事をすべて見る →
同じテーマの最近の記事
🇩🇪 ドイツオーケストラニュースGoogle News EN 新譜・レーベル9/28 04:03
作曲家ユーペン・チェン(陳致逸)がドイツ・グラモフォンからデビューアルバム『The Poem of Life』をリリース
Yu-Peng Chen's New Album "The Poem of Life" - The Violin Channel
ゲーム『原神』の音楽などで知られる作曲家のユーペン・チェンが、ドイツ・グラモフォン(DG)からデビュークラシックアルバム『The Poem of Life』をリリースした。中国人作曲家として初めて同レーベルと契約を結んだチェンの本作は、ピアノと管弦楽のための12楽章からなる交響的作品である。演奏にはジャン・リャン指揮の上海フィルハーモニー管弦楽団、ヴァイオリニストのダニエル・ホープ、マンドリン奏者のアヴィ・アヴィタル、チェリストのフィリップ・シューペリウスが参加している。
ユーペン・チェン上海フィルハーモニー管弦楽団
🇨🇳 中国オーケストラニュースGoogle News CN 一般9/28 14:04
ゲーム作曲家の陳致逸がドイツ・グラモフォンから初のクラシック・アルバム『漫長な告白』をリリース
播放量超20亿次的游戏作曲家,交出首张古典专辑 - 新华网
ゲーム『原神』の音楽などを手掛けてきた作曲家・ピアニスト・プロデューサーの陳致逸が、ドイツ・グラモフォンよりピアノと管弦楽のための全12楽章からなる交響組曲『漫長な告白』をリリースした。本作は張亮の指揮、上海愛楽楽団による演奏で録音され、陳致逸自身もピアノ独奏を担当している。中国伝統楽器の演奏家や声楽家の李一、周正中らも参加している。上海音楽院出身の陳致逸は、2025年に中国人作曲家として初めてドイツ・グラモフォンと契約した。
陳致逸張亮
🇯🇵 日本オーケストラニュースGoogle News JP 賞9/28 14:03
逗子出身の東京交響楽団第1バイオリン奏者・土屋杏子、10月12日のよこすか芸術劇場「特別演奏会」に出演へ
逗子出身・土屋杏子さん 音の旋風 最後列から 10月12日 東響特別演奏会〈逗子市・葉山町〉 - dメニューニュース
逗子市出身で東京交響楽団の第1バイオリン奏者を務める土屋杏子(38)が、10月12日によこすか芸術劇場で開催される「特別演奏会」に出演する。今年4月に第4代音楽監督に就任したロレンツォ・ヴィオッティが指揮を務め、土屋は最後列で演奏する。
土屋杏子東京交響楽団よこすか芸術劇場
タグ
アンドレア・バッティストーニ東京フィルハーモニー交響楽団新国立劇場リヒャルト・シュトラウス:アルプス交響曲ベートーヴェン:交響曲マーラー:交響曲
原文を読む → レコ芸ONLINE
この記事をシェア
X でシェアFacebookLINE
← 記事一覧に戻る