パシフィックフィルハーモニア東京が、新体制と2027年度ラインナップを発表
パシフィックフィルハーモニア東京が新体制と2027年度ラインナップを発表、大谷康子の芸術顧問就任やベートーヴェン没後200年企画を公表

10月1日、都内でパシフィックフィルハーモニア東京の「新体制および、2027年度ラインナップ」記者発表会が開催され、実業家で同フィル会長の日野洋一、音楽監督の飯森範親、芸術顧問に就任する大谷康子、特別顧問となる伊藤裕太が登壇した(理事長は吹浦忠正)。
会見冒頭で日野は挨拶に立ち、社会全体が音楽を支える時代であるとの認識を示し、音楽に触れる機会の少ない人たちにも届けることを使命とする新体制について説明した。新体制では飯森範親が引き続き音楽監督として芸術面の中核を担い、新たに芸術顧問に就任する大谷康子には音楽監督のサポートに加え、社会貢献活動「こども音楽食堂」への参画を依頼。特別顧問に就任する伊藤裕太には経営支援とアーティストとの関係づくりが期待されている。
芸術顧問に就く大谷康子は、自身のオーケストラ経験に触れつつ、一丸となった演奏への協力や「伝統と革新」、そして「こども音楽食堂」を通して子どもたちに音楽を届けたいという抱負を述べた。
続いて飯森範親より、2027年度の定期演奏会プログラムが発表された。2027年にベートーヴェンが没後200年を迎えることから、「2027年、ベートーヴェンとともに生きる」をコンセプトに、東京芸術劇場で行われる8回の定期演奏会がすべてベートーヴェンの作品で構成される。飯森は、1年をかけてベートーヴェンと向き合い多様な指揮者と共演することで、楽団の表現の幅を広げ経験を蓄えてほしいと企画の意図を語った。指揮には飯森のほか、大友直人、大井駿、鈴木優人、ウクライナ出身のミコラ・ジャジューラが名を連ねる。
質疑応答では、近年の楽団員の退団や雇用条件を巡る労使問題についても質問が及んだ。日野は、楽団が大きな赤字を抱える中で多額の資金支援を続けてきたと説明し、「再建しなければ存続が危ぶまれる」状況から楽団員に協力を求めたことが団体交渉につながったとした。「折り合いがつく部分、つかない部分があった」としつつも、最前面に立つ楽団員が素晴らしい演奏をするための環境を整えることが大切だと語った。
