ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 - 毎日クラシックナビ
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団によるオール・シベリウス・プログラムの来日公演レビュー
野趣漂う、抗いがたい魅力――サラステ&ヘルシンキ・フィルのオール・シベリウス
高級絹ごし豆腐に慣れた人が、木綿豆腐を口にしたときの驚きのような印象を抱かせる、25年ぶりの来日となったヘルシンキ・フィルとの公演。現首席指揮者ユッカ=ペッカ・サラステとの近作CDであるシベリウス交響曲全集に好感を持った筆者(舩木篤也)が、このコンビの「オール・シベリウス・プロ」を鑑賞した。
チューニングからオーボエの音が大きく無頓着なほどで、指揮者の登場と演奏の開始もにわかに始まった。組曲「ペレアスとメリザンド」からの4曲は大らかに演奏され、第2曲のイングリッシュ・ホルンのソロや、風通しのある響きを持つ14型の弦楽セクション、第8曲「メリザンドの死」での心のこもった最弱音などが示された。
ヴァイオリン協奏曲では、東亮汰の神経こまやかな独奏ヴァイオリンとオーケストラの間にコントラストが生じていた。控えめなポルタメントを交えつつ大見得を切らない涼やかな音色が、オケのざっくりとしたフォルテに包まれ、第3楽章では反復リズムが力強く刻まれた。
交響曲第5番では、硬いバチによるティンパニや濁りを気にせず鳴る管楽器、第1楽章最後のプレストでの加速、終楽章での弾むようなコントラバスの律動など、野趣あふれる魅力と中低音弦の野太い響きが発揮された。
アンコールにはシベリウスの「鶴のいる風景」と「カレリア」第3曲「行進曲風に」が演奏された。
【公演データ】
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
日時:10月14日(水)19:00
会場:東京オペラシティ コンサートホール
指揮:ユッカ=ペッカ・サラステ
管弦楽:ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:東 亮汰
【プログラム】
シベリウス:組曲「ペレアスとメリザンド」より
第1曲「城門にて」、第2曲「メリザンド」、第7曲「間奏曲」、第8曲「メリザンドの死」
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 Op.82
(ソリスト・アンコール)
シベリウス:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ハ長調
(アンコール)
シベリウス:鶴のいる風景 Op.44-2
シベリウス:組曲「カレリア」Op.11より 第3曲〝行進曲風に〟
