清塚信也インタビュー|ピアノとトークの両輪で魅了する4年ぶりの新作『KIYO-LOGUE』を語る - uDiscoverMusic
清塚信也インタビュー|ピアノとトークの両輪で魅了する4年ぶりの新作『KIYO-LOGUE』を語る
ピアニストの清塚信也が、4年ぶりとなるアルバム『KIYO-LOGUE』をリリースした。本作は、演奏とトークを織り交ぜたユニークな構成となっており、クラシック音楽界の第一線で活躍しながら、芝居やトークでも高い評価を受ける清塚の活動を象徴する1枚となっている。
清塚は、アルバム制作の意義について「出すからには必然性のある内容にしたかった」と語り、自身の強みであるトークを表現ツールとして取り入れたと説明する。トーク力は、コンクールで評価される演奏だけでは聴衆の心を動かせないという危機感から、入賞者コンサートで作品について語り始めたことが出発点となった。
『KIYO-LOGUE』では、バッハとスカルラッティ、ベートーヴェンとシューベルト、シューマンとブラームス、ドビュッシーとガーシュウィンといった作曲家同士の人間関係を軸に構成されている。これは、クラシック音楽に馴染みの薄い人にも親しみを持ってもらうための工夫である。
また、ショパンと瀧廉太郎を組み合わせた点について、清塚は「同じ肺結核で若くして亡くなった二人を並べることで新しい発見があるのではないか」と述べ、瀧の絶筆《憾(うらみ)》を取り上げた。日本の洋楽発展に貢献した瀧廉太郎の作品を加えることで、クラシック音楽をより立体的に捉え直す狙いがある。
アルバムの最後には、自身の自作曲《Serendipity》と《人生の光》が収録されている。清塚は、かつてピアニストが作曲家でもあった歴史に触れ、現代のピアニストも新曲を生み出すべきだと主張する。音楽家の身体ひとつで完結するクラシック音楽のプリミティブな側面は、AIが発達した現代においてますます重要になると語った。
2025年から続く全国47都道府県ツアーは、7月12日のサントリーホール公演でファイナルを迎える。清塚は、各土地の空気を感じながら観客と対話することを大切にしており、ホールごとに異なるコミュニケーションがパフォーマンスのエネルギーになっていると語った。