カーチュン・ウォンが語るブルックナー第8番──日本フィル第787回東京定期演奏会 - fan.pia.jp
日本フィル首席指揮者のカーチュン・ウォンが第787回東京定期演奏会でブルックナーの交響曲第8番を指揮
2027年1月、日本フィルハーモニー交響楽団の東京定期演奏会で、首席指揮者カーチュン・ウォンがブルックナーの交響曲第8番を指揮する。ウォンがこの作曲家を学び始めたのは約15年前で、指揮者のクルト・マズア、ベルナルト・ハイティンクに教えを受けた。
ウォンは、「マスタークラスでは、私たち若い指揮者はブルックナーを神聖な作曲家だと考えがちでした。でも、ハイティンクが教えてくれたのは、とても人間的なブルックナーです。彼は信仰に篤い一方、人間として多くの欠点もありました。神の完全さより、人間らしい不完全さや脆さに心を動かされます。マズアから学んだ第4番も、寺院や教会のように捉えるのではなく、ロマンに満ちた旅として向き合う音楽でした」と振り返る。
ブルックナーの構成については、寿司の食べ方にたとえて説明している。
「単純化したり、軽く扱ったりするつもりはありません。とても深遠な音楽です。ただ、若い頃から、その構成は寿司の食べ方に似ていると思っていました。赤身のまぐろをいただき、こはだ、かんぴょう巻へ進む。もう少しまぐろが欲しくなって、また二貫頼む。好きなものを繰り返しながら全体を組み立てるのです」
ブルックナーの音楽でも一つの部分が数分間続き、別の部分へ移り、やがて戻ってくる。それぞれが柱となり、反復と組み合わせで大聖堂のような建築を形づくる。「大トロばかりでは、私のようなおじさんには脂が多すぎますから(笑)。音楽にも全体のバランスが必要です」と述べている。
楽譜や文献の研究に何百時間も費やす一方、素朴な感覚も大切にしているとし、「人生の経験を重ねて同じ交響曲に戻ると、まるで新しい作品のように見えるものです」と語る。また、第8番を管弦楽による「言葉のないオペラ」とたとえ、日本フィルに対しては「解釈の好みは人それぞれでしょう。でも日本フィルの演奏には、リハーサルが始まる前から100パーセントの信頼を寄せています」と期待を寄せた。
【公演情報】
日本フィルハーモニー交響楽団 第787回東京定期演奏会
■日程
1月29日(金) 19:00開演 東京芸術劇場 コンサートホール
1月30日(土) 14:00開演 東京芸術劇場 コンサートホール
■出演
指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
■曲目
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB108(ノヴァーク版)
