ジョヴァンニ・アントニーニ指揮 読売日本交響楽団 第696回名曲シリーズ
ジョヴァンニ・アントニーニ指揮・読売日本交響楽団の第696回名曲シリーズ公演レビュー

イタリアの古楽の鬼才ジョヴァンニ・アントニーニが2度目の読売日本交響楽団との共演を果たした。モーツァルトの二つのト短調交響曲の間に、ソリストにソル・ガベッタを迎えたシューマンのチェロ協奏曲を配したプログラムが演奏された。
コンサートマスター日下紗矢子率いる読響は10型の対向配置で臨んだ。モーツァルトの「小ト短調」こと交響曲第25番の第1楽章は、整然とした音の運びと緊張感をはらんだシンコペーション、オーボエが弱音で全音符を吹く推移部、うきうきとした愉悦が加わる第2主題が展開された。提示部と再現部はともにリピートされた。緩徐楽章、トリオの舞曲的性格が際立つメヌエット楽章を経て、終楽章では緊迫感とアンサンブルの密度が高められた。
今回が読響との初共演となるガベッタは、深紅のドレスで登場し、シューマンのチェロ協奏曲を演奏した。第1楽章冒頭の温かな音色と歌い回し、第2楽章における独奏チェロと首席チェリストの二重奏、快速テンポの終楽章での技巧が披露された。アンコールでは読響の5人のチェリストと共演し、シューマン/ガベッタ編の「民謡風の5つの小品」第2曲を演奏した。
後半に演奏されたモーツァルトの交響曲第40番は、第1楽章からリズムやアクセント、アーティキュレーションが際立ち、第2楽章ではヴィブラートを抑えた弦から和声が浮かび上がった。メヌエットに続き、終楽章では全休止の間やルバート、抑揚、対位法的な書法での高まりが見られた。
【公演データ】
読売日本交響楽団 第696回名曲シリーズ
日時:10月23日(金) 19:00
会場:サントリーホール 大ホール
指揮:ジョヴァンニ・アントニーニ
チェロ:ソル・ガベッタ
管弦楽:読売日本交響楽団
コンサートマスター:日下紗矢子
プログラム:
・モーツァルト:交響曲第25番 ト短調 K.183
・シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
・モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
ソリスト・アンコール:
・シューマン/ガベッタ 編:「民謡風の5つの小品」第2曲
他日公演:
10月25日(日)14:00 横浜みなとみらいホール
(評:那須田務)
