佐藤俊介が東京交響楽団のクリエイティブ・パートナーに就任
ヴァイオリニストで指揮者の佐藤俊介が東京交響楽団のクリエイティブ・パートナーに就任決定

東京交響楽団は9月29日、2027年度よりヴァイオリニストで指揮者の佐藤俊介がクリエイティブ・パートナーに就任すると発表した。任期は2027年4月から3年間。佐藤はヴァイオリニストとしてだけでなく、指揮、室内楽、教育など幅広く活動し、歴史的知識に基づいた演奏で国際的に高い評価を得ている。
東京交響楽団の専務理事・楽団長、廣岡克隆は、就任にあたり以下のようにコメントしている。
「指揮者を置かず奏者同士が主体的に音楽を創り上げる取り組みは、楽員一人ひとりの自発性を引き出し、溌溂とした瑞々しい音楽を生み出してきました。今後はさらに、従来のシンフォニーオーケストラの枠にとらわれない新たな挑戦を重ねることで、東京交響楽団の可能性を広げていけることを期待しています」
佐藤と東響との共演歴は長く2004年、05年、06年にはいずれもソリストとして登場。そして20年の「モーツァルト・マチネ」から、佐藤がヴァイオリンを弾きながらオーケストラを率いる弾き振りで5プログラム6公演の共演を重ねてきている。バロックから古典派、ロマン派までのレパートリーを通して、佐藤と楽員が直接対話しながら音楽をつくる関係を築いてきたことが、今回の就任につながったといえそうだ。
佐藤は就任にあたり、次のようにコメントしている。
「2020年の『モーツァルト・マチネ』で共演して以来、東京交響楽団とは『名曲全集』や定期演奏会など、幾度となくご一緒する幸運に恵まれてきました。ともに音楽を創る時間を重ねるなかで、私たちがお互いに、音楽的な対話と協働をさらに深めていきたいという思いを抱いていることは、すぐに明らかになりました。東京交響楽団のクリエイティブ・パートナーに就任することを、この上ない光栄に思います。これからも音楽を探究する道を歩み続け、今後何年にもわたり、オーケストラの皆さまとともに豊かな音楽の言葉を築いていけることを、心から楽しみにしています。まもなく発表される2027/28シーズンには、クリエイティブ・パートナーとしての就任記念コンサートとして、さまざまな世界や物語、色彩、そして感情に満ちた傑作を探究します。私が願うのは、よく知られた作品には新たな光を当て、まだ広く知られていないレパートリーにも目を向け、そして何よりも、聴衆の皆さまと私たち自身の双方に刺激を与え、新たな挑戦へと導くことです。一つひとつのコンサートは、そこにいるすべての人の心を真に動かし、胸を躍らせる体験になり得る――いや、そうでなければならない!――と私は考えています。その思いを東京交響楽団の皆さまとともに実現していくことに、全力を尽くしたいと思います」
佐藤俊介は1984年東京都生まれ。4歳でアメリカへ移住。2013年よりアムステルダム音楽院教授としてヒストリカル・ヴァイオリンを指導している。同年から23年までオランダ・バッハ協会のコンサートマスターを務め、18年からは音楽監督も兼任した。2025年には、主に19世紀のレパートリーを歴史的奏法から捉え直し、その生々しい表現力を現代に蘇らせる PastForward Ensemble を結成。また、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団、オランダ室内管弦楽団、ハーグ・レジデンティ管弦楽団、スタヴァンゲル交響楽団、オルフェオ管弦楽団、フィルハーモニア・バロック、オーストラリア・ブランデンブルク管弦楽団、セビーリャ・バロック管弦楽団などに客演指揮者として招かれている。
