尾高忠明と野平一郎が文化功労者に選出
指揮者の尾高忠明と作曲家・ピアニスト・指揮者の野平一郎が文化功労者に選出される

10月23日、2026年度の文化勲章受章者8人と文化功労者21人が発表され、指揮者の尾高忠明、作曲家・ピアニスト・指揮者の野平一郎が文化功労者に選ばれた。文化功労者は、文化の向上発達に関して特に功績が顕著な人物を顕彰するもの。
尾高は1947年生まれ。作曲家・指揮者の尾高尚忠を父に持ち、桐朋学園大学で名匠・齋藤秀雄に師事。ウィーン国立音楽大学への留学を経て、1971年にNHK交響楽団を指揮してデビューを飾った。以来、東京フィルの常任指揮者(現・桂冠指揮者)、読響の常任指揮者(現・名誉客演指揮者)、札響の音楽監督(現・桂冠指揮者)ほかの国内主要オーケストラの要職を歴任。現在はN響正指揮者、大阪フィル音楽監督などを務め、邦人作品の初演や発掘にも情熱を注ぐ一方、東京藝術大学ほかで後進の指導にも尽力している。
また、1987年から首席指揮者を務めた英BBCウェールズ交響楽団(現・桂冠指揮者)での長年の活動を通じて、エルガーをはじめとする英国音楽の普及にも貢献。1997年には英国エリザベス女王より大英帝国勲章CBEを授与され、1999年には日本人初となるエルガー・メダルを受章。2021年には旭日小綬章を受章している。
野平は1953年生まれ。東京藝術大学および同大学院を経て、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学び、間宮芳生、永冨正之、アンリエット・ピュイグ=ロジェ、ベッツィー・ジョラス、セルジュ・ニグ、ミシェル・フィリッポらに師事。
作曲家としては管弦楽曲、室内楽、オペラなど200曲を超える作品を発表する一方、ピアニストとしても国内外のオーケストラとの共演や室内楽、現代作品の初演など、多彩な活動を展開してきた。協奏曲の弾き振りや、自作を含む指揮活動にも取り組み、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)などとの協働を通じて、ヨーロッパの現代音楽シーンでも活躍。現在は東京文化会館の音楽監督、仙台国際音楽コンクールピアノ部門審査委員長を務めるほか、2023年には東京音楽大学学長に就任し、音楽文化の振興や後進の育成にも尽力している。これまでにサントリー音楽賞、2度の尾高賞などを受賞し、2012年には紫綬褒章を受章した。