ピエール・ブーレーズ礼讃④
ピエール・ブーレーズ礼讃④

日本語要約
音楽評論家・八木宏之によるピエール・ブーレーズの再批評連載第4回。ブーレーズにとって作曲が主、指揮が副次的な活動であったとしつつ、ワーグナーやマーラーの指揮が自身の創作に与えた影響を論じている。特に1970年録音のバイロイト音楽祭での《パルジファル》を、作曲と指揮が交錯し化学反応をもたらした重要な録音として挙げ、その時間感覚やテクスチャについて分析している。
全文(日本語)
生涯を通して、ブーレーズのアイデンティティは作曲にあり、指揮は副次的な活動であった。しかし、ワーグナーやマーラーの指揮は彼の創作に拡張と発展をもたらした。特に両者の時間感覚に接したことは、ブーレーズに《レポン》や《シュル・アンシーズ》のような長大な作品を書かせるきっかけとなった。
1970年録音のバイロイト音楽祭での《パルジファル》は、作曲と指揮の両活動が交錯し、化学反応をもたらした重要な録音である。この演奏はテンポの速い遅いを超越し、聴き手に時間感覚を失わせる。オーケストラはモノクロームなテクスチャを基調としつつ、場面に応じて巧みなコントラストを施している。この音楽体験は、ブーレーズのライヴ・エレクトロニクス作品の聴取体験と共通するものがある。
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