小泉和裕指揮 九州交響楽団 第443回定期演奏会
小泉和裕指揮による九州交響楽団第443回定期演奏会でシューベルトとリストの「ダンテ交響曲」が演奏される

九州交響楽団の第443回定期演奏会が、終身名誉音楽監督・小泉和裕の指揮で開催され、「天国を描く」というイメージ・タイトルのもと、シューベルトの交響曲第5番とリストの「ダンテの“神曲”による交響曲」が演奏された。
1曲目のシューベルトでは弦楽器を12型に絞り、第1楽章から木管楽器との緊密なアンサンブルを繰り広げ、チェロとバスを鳴らした重心の低いドイツ的な音作りが行われた。適度なヴィブラートやソナタ形式提示部の繰り返しを省略するなど、流行のピリオド演奏とは一線を画したスタイルにより、「天国」のイメージに近い柔らかで美しいサウンドが醸成され、第4楽章もみずみずしい生命感に溢れる演奏となった。
後半に演奏されたリストの「ダンテの“神曲”による交響曲」(ダンテ交響曲)は、所要時間50分超、3管編成(ファゴットのみ2本)を要する大作である。ダンテの「神曲」から着想を得て創作され、当初構想された3楽章形式からワーグナーのアドバイスを受けて改変され、第1楽章「地獄」、第2楽章「煉獄」、そして第2楽章終結部に代わる女声合唱を伴うマニフィカートで締め括る交響詩的性格の作品として完成された。
この作品では弦楽器14型、コントラバス7人の編成がとられた。第1楽章冒頭では2組のティンパニの強奏からオーケストラ全体を力強く鳴らして地獄の世界観が激烈に描かれ、調性が不明瞭な箇所では地獄の階層を下る象徴である下降音形が骨太に表出された。第2楽章では重心の低く柔らかな弦楽器と木管楽器・ホルンの掛け合いが披露された。マニフィカートの女声合唱は九響合唱団(舞台下手ヴァイオリン後方に40人、舞台袖に1人)が務め、繊細なタッチで情景を描いて全曲を締め括った。
【公演データ】
九州交響楽団 第443回定期演奏会
10月7日(水)19:00 アクロス福岡シンフォニーホール
指揮:小泉和裕
女声合唱:九響合唱団(合唱指揮:横田 諭)
管弦楽:九州交響楽団
コンサートマスター:扇谷泰朋
プログラム:
シューベルト:交響曲 第5番 変ロ長調 D.485
リスト:ダンテの“神曲”による交響曲(ダンテ交響曲)S.109 / R426a
