山田和樹指揮 ベルリン・ドイツ交響楽団 [首席指揮者兼芸術監督就任披露演奏会]
山田和樹がベルリン・ドイツ交響楽団の首席指揮者兼芸術監督就任披露演奏会を開催

ベルリン・ドイツ交響楽団(DSO)による山田和樹の首席指揮者兼芸術監督就任披露演奏会が行われた。
年間プログラムの序文では、「Ach,Mensch(おお、人間よ)」というモットーについて、「人間という存在の深淵を探求します。私たちのプログラムは、喜びと絶望、希望と幻滅、生きる情熱と失望、勇気と恐怖といった、人間が経験する多種多様な側面に光を当てます。私たちが目指すのは、自分自身を見つめなおすひとときを促すことでもあります。皆様に、耳を傾けて問いを抱くよう誘い掛けます」と記されており、山田はそれを音にして示した。
公演は語り手のマーヤ・ゲーペルのトークに続いて始まった。冒頭のアイヴズ「答えのない質問」では、神秘的な空間が会場全体に作り出された。続いて、アリス=紗良・オットのピアノでグリーグのピアノ協奏曲が演奏された。後半はアンナ・クライン作曲の「山の女」(欧州初演)で始まった。作曲者のクラインはイギリス出身でアメリカ在住の女性作曲家で、アイルランドの伝承歌「女たちの山」をモティーフに5つの部分で構成された作品である。明快なリズムと美しいメロディは聴衆から大きな拍手で迎えられた。最後はドビュッシーの交響詩「海」が演奏され、スタンディングオベーションで称えられる成功を収めた。
山田は、DSOについて「基礎を築いた首席指揮者フリッチャイから、マゼール、シャイー、ケント・ナガノ、ソヒエフらの名指揮者が受け継いできた先進性やプログラミングなど、すべての活動にオープンだというDNAがいまも息づいていることを感じる」とし、「それを継承しつつ新しい視点も盛り込みたい。そして、それを成し遂げるのは楽団とベルリンの聴衆」と今後の抱負を語った。
【公演データ】
山田和樹指揮 ベルリン・ドイツ交響楽団 [首席指揮者兼芸術監督就任披露演奏会]
日時:10月4日(日)20:00
会場:フィルハーモニー・ベルリン
指揮:山田和樹
ピアノ:アリス=紗良・オット
語り手:マーヤ・ゲーペル
管弦楽:ベルリン・ドイツ交響楽団
プログラム:
・アイヴズ:答えのない質問
・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
・アンナ・クライン:山の女(2025)[欧州初演]
・ドビュッシー:交響詩「海」―3つの交響的素描