N響とベートーヴェン――録音でたどる名演の歴史
N響とベートーヴェン――録音でたどる名演の歴史

2027年、ベートーヴェン没後200年の節目に、NHK交響楽団は交響曲とピアノ協奏曲の全曲演奏を予定している。前身の新交響楽団が本格活動を開始した1927年も没後100年の記念年であり、創設期からベートーヴェンは同楽団の重要なレパートリーであった。
新交響楽団は1926年10月の「第一回研究発表演奏会」で交響曲第4番を演奏し、同年11月にはピアノ協奏曲第3番、第2番、ヴァイオリン協奏曲を取り上げた。翌1927年には没後100年を記念し、13日間で6回の演奏会を行い、交響曲第1、3、5~9番やピアノ協奏曲第4、5番などを演奏。1929年までに交響曲9曲とピアノ協奏曲5曲の全曲演奏を達成した。
日本初のベートーヴェン交響曲録音は、1935年末の山田耕筰指揮による交響曲第5番である。1942年には日本交響楽団と改称し、同年12月には山田和男(一雄)指揮による《第9》が演奏された。
1951年にNHK交響楽団となり、1960年にはシュヒター指揮で《コリオラン》序曲を録音。同年、N響は世界ツアーを行い、ロンドンでシュヒター指揮の《英雄》、パリでクレツキ指揮の《運命》などが演奏された。岩城宏之は1968~69年に交響曲全曲録音を完成させた。また、1965年にはヨーゼフ・カイルベルトが客演し、同年12月の《第9》は貴重な記録となっている。
ロヴロ・フォン・マタチッチは1966年以降、年末の《第9》などを指揮し、1984年の来日公演での第7番も高く評価された。1970年の生誕200年記念公演では、ウォルフガング・サヴァリッシュが交響曲全曲と《ミサ・ソレムニス》、《合唱幻想曲》を指揮。サヴァリッシュとN響は1982年に《運命》と第8番をセッション録音している。
年末恒例の《第9》には、マタチッチ、スウィトナー、ライトナー、シュタイン、ビエロフラーヴェク、ワイケルト、クロブチャール、コシュラー、若杉弘らが名を連ねる。また、岩城宏之は2004年と2005年の大みそかに、1日でベートーヴェンの交響曲全曲演奏を行う試みも実施した。