スウェーデン&ノルウェーのオーケストラ奏者に聞く北欧の“働き方”〜週休3日・長い夏休み・フラットな人間関係
イェブレ響の永野花穂とトロンハイム響の乾詩織が語る、スウェーデンとノルウェーのオーケストラにおける働き方と休暇事情

スウェーデンのイェブレ交響楽団で第2ヴァイオリン奏者を務める永野花穂と、ノルウェーのトロンハイム交響楽団でヴィオラ奏者を務める乾詩織が、北欧のオーケストラでの働き方やライフキャリアについて語った。
勤務スケジュールについて、両オーケストラともに週1回コンサートがあり、毎週プログラムが変わるのが基本である。永野の楽団はストックホルムからの通勤者に合わせて朝9時40分にリハーサルが始まり、2〜3日リハーサルをして1〜2回公演を行い、基本的に週3日休みとなる。乾の楽団も月曜から水曜にリハーサル、木曜夜にコンサートを行い、金・土・日曜日が休みの基本日程となっている。日曜日やクリスマス、年始も基本的に休みであるという。
休日の過ごし方として、両者とも自主練習は行うものの、オンとオフを切り替えるために練習場所をホールに限定し、自宅では楽器を弾かないようにしている。永野はジムなどの運動を取り入れ、乾は友人と過ごす時間なども設けている。
休暇制度に関して、夏休みは6月中旬から8月初旬までの約2か月弱あり、その間も給与が支給されるほか、夏休みボーナスも支給される。普段の休暇申請には正当な理由(他楽団での演奏、室内楽、オーディション、試用期間など)が必要であり、乾の楽団には年2週間の有給休暇や1日の引っ越し休暇制度もある。病欠時の扱いは国によって異なり、スウェーデンでは初日無給・2日目から給与の80%支給となる一方、ノルウェーでは病欠でも給与が100%支払われる。また、ノルウェーには子どもの病気による看護休暇制度(子どもの人数に応じて年10〜15日)もある。急な欠員に対してはスタンバイ制度や地域のフリーランス奏者への依頼で対応するため、休暇申請で周囲に過度に気を使う雰囲気はないと語る。
リハーサル中の休憩時間には、スウェーデンの「フィーカ」やお茶を飲む文化が定着しており、団員同士のコミュニケーションの場となっている。会話においてはハラスメントやプライベートへの配慮がなされており、ノルウェーの方がより率直で距離感が近い傾向があるという。また、人間関係に年齢や経験年数による上下関係は一切なく、新しく入った若い奏者でも対等に意見を求められるフラットな環境であると述べている。