モーツァルトの演奏史に新たな一ページを記す—濱田芳通&アントネッロ《レクイエム》|公演レビュー
モーツァルトの演奏史に新たな一ページを記す—濱田芳通&アントネッロ《レクイエム》|公演レビュー

日本語要約
濱田芳通率いるアントネッロによる、モーツァルトの《レクイエム》と交響曲第41番《ジュピター》を軸とした意欲的な公演のレビュー。18世紀のコンサート形式を彷彿とさせる構成で、声楽曲と交響曲を精神的・音楽的に関連づけ、モーツァルトの信仰心や晩年の心境を浮き彫りにした。古楽アンサンブルならではの野趣あふれる響きや、アゴーギクを駆使した柔軟な解釈により、作品の情感を鮮烈に描き出した演奏会である。
全文(日本語)
濱田芳通とアントネッロが、モーツァルトの《レクイエム》と交響曲第41番《ジュピター》を組み合わせた公演を行った。18世紀のコンサートを彷彿とさせる構成で、声楽曲を交響曲の楽章間に配置し、音楽的・精神的な関連性を提示した。
前半の《ジュピター》では、アリエッタの野性味を引き継いだダイナミックな演奏が展開された。各声楽曲では松井永太郎、中川詩歩、中山美紀、中嶋克彦らがそれぞれの楽曲の性格を鮮やかに表現し、終楽章のフーガは凄まじい推進力を見せた。
後半の《レクイエム》では、濱田の柔軟なアゴーギクにより、曲の情感(アフェクト)が生き生きと息づいた。合唱の迫力や、細やかなソット・ヴォーチェによる祈りの表現など、死を目前にしたモーツァルトの孤独と信仰心が深く描き出された。
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