英ロイヤル・オペラの「連隊の娘」「ラ・ボエーム」「清教徒」 - 毎日クラシックナビ
英ロイヤル・オペラで上演された「連隊の娘」「ラ・ボエーム」「清教徒」の公演レビュー
ロンドンに3日間滞在し、ロイヤル・オペラ・ハウスで4公演を鑑賞した。7月10日にイヴ・アベル指揮のドニゼッティ「連隊の娘」、11日ロレンツォ・パッセリーニ指揮の「ラ・ボエーム」を異なるキャストで2公演、12日リッカルド・フリッツァの指揮でベッリーニ「清教徒」である。いずれも紛れもない「一流の公演」だった。
「連隊の娘」は、アベルの指揮によるニュアンスに富んだ音楽と、ロラン・ペリーの演出が作品の美質を表現した。トニオ役のフアン・ディエゴ・フローレスは、第1幕のアリアでの9回のハイCや第2幕のロマンスなど、53歳にして驚異の歌唱を披露。マリー役のサラ・ブランクは、美声を操りながら深い情感を湛えた。シュルピス役のパオロ・ボルドーニャは演技巧者ぶりを発揮し、ベルケンフィールド侯爵夫人役のソニア・ガナッシは品格ある歌唱を見せた。
「ラ・ボエーム」はパッセリーニの指揮が冴え、細部まで表情豊かで活気に満ちた音楽を展開した。リチャード・ジョーンズの演出は、細部の工夫や鮮やかな場面転換が特徴的だった。マチネ公演では、ミミ役のフラチュヒ・バッセンツ、ロドルフォ役のステファン・ポップ、マルチェッロ役のジェルマン・アルカンタラ、コッリーネ役のジョルジ・マノシュヴィリ、ムゼッタ役のルース・イニエスタが出演。夜公演では、ミミ役のジュリアナ・グリゴリアン、ロドルフォ役のフレディ・デ・トマーゾ、マルチェッロ役のルカ・ミケレッティ、コッリーネ役のジャンルーカ・ブラット、ムゼッタ役のマリーナ・モンゾがそれぞれ出演した。
「清教徒」はフリッツァの指揮により、慣用版をほぼノーカットで演奏。リチャード・ジョーンズの演出は、エルヴィーラが心理的に圧迫される過程を強調した。エルヴィーラ役のリセット・オロペサは、技巧の先にある深い感情表現を見せた。アルトゥーロ役のフランチェスコ・デムーロは、高音の輝かしさとスムーズなパッサッジョを披露。ジョルジョ役のイルデブランド・ダルカンジェロは品位ある歌唱を、リッカルド役のアンジェイ・フィロンチクは難役を歌い上げた。
