対話と信頼で最高峰の演奏引き出す 世界文化賞音楽部門ヘルベルト・ブロムシュテット氏 - japan-forward.com
指揮者のヘルベルト・ブロムシュテット氏が第37回高松宮殿下記念世界文化賞の音楽部門を受賞
第37回「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)音楽部門に選ばれたヘルベルト・ブロムシュテット氏は、現代クラシック界で最も尊敬される指揮者の一人である。作曲家の意図を緻密に具現化し、重厚だが透明で引き締まった音を生む。
2歳で米国から両親の祖国スウェーデンへ移住。ストックホルム王立音楽院などで学んだ後、米ジュリアード音楽院でジャン・モレルに指揮を師事、レナード・バーンスタイン(1990年世界文化賞受賞者)らにも学んだ。さらにドイツで現代音楽、スイスでルネサンス・バロック音楽も学ぶなど、若くして幅広い音楽的基盤を築いた。
1954年にデビュー。北欧の名門オケを歴任し、東独の名門シュターツカペレ・ドレスデンで首席指揮者を10年務め、国際的名声を得た。冷戦下、深みのある音を生かした「ベートーベン交響曲全集」など歴史的名盤を残した。
1985年に米サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任し実力を世界トップへ引き上げ、グラミー賞を複数回受賞。その後もライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団などを歴任した。
日本との縁も深く、1981年の初共演以来、NHK交響楽団と45年の信頼関係を築き「桂冠名誉指揮者」を務める。2014年には東日本大震災の復興チャリティーとしてN響を指揮した。ウィーン・フィルの名誉団員でもある。
北欧のシベリウスやニールセンを積極的に取り上げ、「ニールセン交響曲全集」はニールセン作品の世界的普及を後押しした。
敬虔なキリスト教信仰から禁酒禁煙を貫き、そのストイックな生き方が高齢の今も現役を支える。楽団員との対話と信頼から最高峰の演奏を引き出し、現代の指揮者のあるべき姿を示している。
2018年に旭日中綬章、2022年にドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字星章を受章した。

