Diapason découverte pour “Zampa” d’Hérold
エロールのオペラ『ザンパ』の新録音CDが「ディアパソン・デクヴェールト」を受賞

エロール作『ザンパ』がディアパソン・デクヴェールトを受賞
1831年5月にパリのヴァンタドゥール劇場で初演された際、『ザンパ』は大成功を収め、その人気は国境を越えてドイツやイタリアへと広がった。息つく暇もない全3幕は、海賊やオスマン帝国の脅威にさらされるシチリアを舞台に展開する。自己犠牲を体現するカミーユと義務感を背負うアルフォンスの愛が悪党によって阻まれるというロマン主義に、大理石の聖女像がザンパを炎へと引きずり込むという幻想的な要素が加わり、さらに、死んだと思っていた夫ダニエルと不運続きの勇敢なダンドロの板挟みになる気性の激しい女リッタといったヴォードヴィルの手法も組み合わされている。何より、エロールが書いたスコアは生き生きとした躍動感、立体感、色彩感に満ちており、超絶技巧のアリアや重唱が散りばめられている。酒飲みの歌(見事な「楽しみに、狂気に」)、恐怖の場面(壮大な第1幕フィナーレ)、感嘆符が連なる三重唱、オルガンの宗教歌、愛のバルカローレ、ハープで彩られた夜想曲など多彩である。次々と展開が変わる第2幕のフィナーレは、熱狂的な勢いで独唱、二重唱、重唱、合唱を織り交ぜている。
英雄的な渦巻き
2008年にウィリアム・クリスティ指揮でファヴァール劇場にて短期間再演されたものの、この作品が公演の上演目録から姿を消してしまったのは、要求される高度な技術的難度が一因であるに違いない。まずタイトルロールは、盗賊の落ち着きと誘惑者の華やかさを兼ね備えなければならない。酒の歌や打ち明け話の中で、ジュリアン・アンリックは人当たりの良い口調や優しい笑みの下に、鋭く暗い響きを覗かせる。第2幕のカンダビーレ(名曲「魅力的な美しさを持つお前」)や第3幕終わりのカヴァティーナが示すように、このテノールは低音から一気に高音へと駆け上がる。カミーユの絶望を表現するため、エレーヌ・カルパンティエは声域の両端に音が散りばめられた装飾歌唱を受け持っているが、このソプラノは見事に立ち向かっている。ザンパのために退けられる若い士官アルフォンスを演じるシリル・デュボワは、感情の震えから復讐に燃える高音までを行き来し、怒りで声を詰まらせるほどである。
彼らの周りでは、抗いがたい喜劇的才能と饒舌さを持つ脇役たちが展開する。フランソワ・ルジエ演じる気さくなダニエル、エロイーズ・マス演じるいたずら好きで快活なリッタ、ピエール・ドレ演じる憎めないダンドロが三角関係に巻き込まれ、ザンパ、カミーユ、アルフォンスによる三角関係のブッファ的な写し鏡となっている。質感と色彩に優れたバイエルン放送合唱団は、木管楽器がため息をつき弦楽器がざわめく情景に深みを与えている。
エリック・ニールセンの切れ味鋭い指揮は、時に重くなりがちな手綱さばきを、この英雄的で天才的に気分の起伏が激しい渦巻きへと注ぎ込む熱情によって補っている。喜び、恐怖、嫉妬、愛が、ミュンヘン放送管弦楽団の中で次々と移り変わり、聴く者を喜ばせる。
エロール:『ザンパ』
ジュリアン・アンリック(ザンパ)、エレーヌ・カルパンティエ(カミーユ)、シリル・デュボワ(アルフォンス)、エロイーズ・マス(リッタ)、フランソワ・ルジエ(ダニエル)、ピエール・ドレ(ダンドロ)、バイエルン放送合唱団、ミュンヘン放送管弦楽団、エリック・ニールセン
Bru Zane(2 CD)。録音:2025年。総収録時間:2時間19分。ディアパソン・デクヴェールト
