Review: Ballet Nights v012 – string quartet and new compere freshen the format
「Ballet Nights」第12回公演がロンドンのカドガン・ホールで開催され、弦楽四重奏の導入や新司会者により形式を一新
「Ballet Nights」ブランドがロンドンで12回目の公演を行い、おなじみの形式に新しさを加えて3周年を祝った。これまでのプログラムではコンサート・ピアニストのヴィクトル・エリック・エマニュエルが常連として出演していたが、今回の第12回ではコンクリート(弦楽)四重奏団が代わりを務めた。同カルテットは、第1幕の冒頭でドミニク・ストークス編曲によるチャイコフスキーの『眠れる森の美女』のワルツを演奏し、第2幕では急遽パトリック・キーフの代役として出演したバリトンのマイケル・ラファティによる『セビリアの理髪師』のフィガロのアリア「私は町の何でも屋」の表情豊かな歌唱の伴奏を務めた。ラファティはフェイスマイクを装着していたものの、機敏にフィガロの熱情を捉えていた。
もう一つの大きな変更点は、「Ballet Nights」創設者のジャミエル・デヴェルネイ=ローレンスに代わり、ロンドン・コンテンポラリー・ダンス・スクールでプロのダンサーとして訓練を受け、現在は英国赤十字社の遺贈部門責任者などを務めるアナイシュ・イルマ・パーマーが司会を務めたことである。
今回のロンドン公演には、英国ロイヤル・バレエ団の3人のダンサーをはじめとする常連が出演した。ヤスミン・ナグディとリース・クラークは、アサフ・メッセレル振付の短い『春の水』のパ・ド・ドゥでダンスプログラムの幕を開け、終盤にはケネス・マクミラン振付『エリート・シンコペーションズ』からの2つの抜粋(ストップタイム・ラグ、ベセナ・ラグ・ワルツ)を踊って締めくくった。
ロイヤル・バレエ団からのもう一人のゲストであるハリス・ベルは、PCKダンスのトラヴィス・クローセン=ナイト振付による緊迫したソロ『There Were Storms』を踊った。イングリッシュ・ナショナル・バレエのサドラーズ・ウェルズ公演を終えたばかりのイ・サンウンとガレス・ホーは、マックス・リヒターの音楽に合わせたデヴィッド・ドーソン振付のデュエットを披露し、この夜のハイライトとなった。
常連ダンサーの最後の一人であるリアム・ウッドヴァインは、テイラー・ヒューズとともに、アブデラヒム・クリックメイ慈善信託によって実現した「Ballet Nights」の新作委嘱(世界初演)作品『BREATH』を踊った。ダンサーたちは最後の一瞬まで顔を覆われ、太いへその緒で結ばれていた。
「Ballet Nights」の恒例企画である海外カンパニーの紹介と未来のダンサーの披露も行われた。前者として、芸術監督トレイシー・リーとともに参加したケープタウン・シティ・バレエのハンナ・ウォードとロイソン・ムニスが歓迎された。2人は第1幕でギャリー・トリンダー振付『ピエ・イエス』からのデュエット(英国初演)を踊り、第2幕ではヴェロニカ・ペーパー振付による1982年の喜劇的バレエ『地獄のオルフェ』からの抜粋を披露した。
バレエの未来を担う存在としては、アコスタ・ダンス・ファウンデーションから江川真琴とアレハンドロ・ロサ・コンスタンティーノが登場し、カルロス・アコスタ版『ドン・キホーテ』のグラン・パ・ド・ドゥ全曲を立派に踊りきった。
続くジェームズ・ウィルトンとサラ・ジェーン・テイラーによるデュエット『LOKI』(来年英国ツアー予定の全幕作品の一部)では、トウシューズから裸足へと変わり、力強いリフトと粗削りで野性味のある動きが披露された。
会場のカドガン・ホールについては、照明の対応や袖幕の欠如、舞台下手後方のドアの開閉による光の漏れなど、ダンス公演会場としての適性には依然として課題が残るものの、優れた公演内容であったと評されている。
