「AIが完璧な演奏を再現する日」が近づく今、ピアニストは何を届けるのか…角野隼斗が語るクラシックの未来とこれからの“夢” - CREA WEB
ピアニストの角野隼斗が語る少年時代からの歩み、AI時代のクラシック音楽の未来、そしてピアノ協奏曲の完成に向けた夢
「かてぃん」の名でYouTuberとしても活動するピアニストの角野隼斗が、少年時代から現在地、今後の展望について語った。
幼少期から聴いたことのない曲をピアノで弾くことが好きで、ピアノ教師である母から音楽理論の基礎を学んだ。9歳の頃にはショパンのスケルツォ第1番などを演奏していたが、子どもの頃からテクニック面で困ることはあまりなかったという。開成中学・高校に進学後はクラシックピアノだけでなくロックバンドでドラムを叩くなど音楽全般に興味を持ち、中学生頃からニコニコ動画やYouTubeに音ゲー曲などの演奏動画を投稿し始めた。YouTubeで大きな反響を呼んだ「7つのレベルのきらきら星変奏曲」は、現在もアンコールピースとして世界中で演奏されている。大学時代にはサークルでジャズ、ロック、フュージョンなど多様なジャンルを演奏し、ピティナ・ピアノコンペティション特級でのグランプリ受賞を機にプロへの道を決意した。
クラシック音楽の未来について、生成AIが完璧な演奏を瞬時に再現できるようになれば、楽譜の再現だけでは価値を持ちにくくなり、19世紀のように「その場で、その人が弾くこと」に価値が戻るとの見解を示した。2020年にはリストやショパンへのリスペクトを込めたアルバム『HAYATOSM』を制作している。
2023年からは拠点をニューヨークに移し、練習や作曲のほか、ジョン・バティステやジョーダン・ルーデス、矢野顕子らとの交流やセッションを行っている。
今後の夢として「ピアノ協奏曲を作る」ことを挙げており、2026年8月の東京交響楽団の定期演奏会で世界初演された自作《無我》(第1楽章)を、今後3楽章からなるピアノ協奏曲として完成させることが直近の目標であると語った。