蓮沼執太 「一番大切な行為は“聴く”ということ」――自身のオーケストラと新たに編成した弦楽オーケストラによる、総勢41名の「Wフィル」で臨むサントリーホール公演への想い(SPICE) - dメニューニュース
蓮沼執太 「一番大切な行為は“聴く”ということ」――自身のオーケストラと新たに編成した弦楽オーケストラによる、総勢41名の「Wフィル」で臨むサントリーホール公演への想い
“はっきり言わないと伝わらない”っていうのは結構思っていて。今はみんな動画も10秒しか見ないとか、文字を読まないとか、写真も一瞬だけ見て認知して、すぐスワイプしちゃうとか、もうそういうことを言われるような時代だし、20世紀にあったような情報の概念とは全然違う。そういった中で何ができるかというと、直接的に言わないといけない。何かのメタファーとしてやらない、ストレートに伝えることは結構大切なんじゃないかなと、今は思ってますね。『symphil』や『アントロポセン』(2018年7月発売)を出した頃は、エコロジー思想とかが盛り上がってて、気候危機についてみんなが考えていたけど、“冷房が効いた部屋で環境をテーマにした2時間の映像作品を見る”みたいな、なんかおかしくないか?っていう状況があって、思想のゲームみたいなものだと何も救えないというかね。想いがあるのは大切なんですけど、もうちょっと実行していかないと意味がないなっていうのもあって。で、この間の3月25日の平和憲法のデモとかはすごく直接行動的なもので、これも完全に時代だと思うんですけど、そういうことの意味がはっきりと浮き上がってきてる。日本人は基本的に意見を伝えることが不得意と言われていますけど、ああやって伝えていくことに僕も勇気をもらって。
――そういったことが直接的に曲のモチーフになっている?
そうですね。デモを肯定したいし、声を上げるのは恥ずかしくないよ、悪くないよっていう曲ですね。この間のデモが特に自分に響いたんです。美雨さんのスピーチも力強くて、僕は京都にいたので、四条烏丸のデモに参加しました。その前後の週もいろんなところでデモをやってて、フィルのメンバーも行ってたりして、これまでとちょっと空気が違うデモだったんですよね。ガザのときのデモともまた違うし、安保のときのデモの感じともまたちょっと違う。世代やオーガナイズをしているチームもアップデートされているように感じました。声を上げることは当たり前のことなんだっていう、その姿勢をいよいよデフォルトにする機会になったと思ったんです。