Arcane 17, la bonne étoile du guitariste Philippe Mouratoglou
ギタリスト、フィリップ・ムラトグルーの新作アルバム『Arcane 17』
ギタリストのフィリップ・ムラトグルーが、世界各地からインスピレーションを得た新作アルバム『Arcane 17』をリリースしました。
20世紀のギター作曲家へのオマージュとして制作されたこのダブルアルバムは、タロットの17番目のカード「星(L'Étoile)」を音楽化したものであり、平和と希望を告げる作品として構成されています。第2ディスクの最後には、ムラトグルー自身による短い即興演奏「L'Etoile」が収録されています。
ブラジル(アルトゥール・カンペラ、エイトル・ヴィラ=ロボス)、キューバ(レオ・ブローウェル)、スペイン(マヌエル・デ・ファリャ)、日本(武満徹)、スイス(フランク・マルタン)の作品を、ムラトグルーは静寂と輝きをもって演奏しています。自身の即興演奏を交え、静寂と激しい旋律の両面から平和と安らぎを表現しており、その演奏技術と録音の明瞭さは非常に高い水準にあります。
20世紀後半のクラシックギター界で最も重要な作曲家の一人であるレオ・ブローウェル(1939年生まれ)の作品では、『黒いデカメロン』より第2楽章「恋人たちの逃避(エコーの谷にて)」が印象的です。アフリカの物語に触発されたこの曲を、ムラトグルーは高いドラマ性と技巧で演奏しています。『エピグラム風前奏曲第1番』においても、その鋭い表現力が際立っています。また、即興演奏の「Jisei」や「Poème suspendu」でも同様の確かな表現が見られます。
武満徹(1930-1996)の『フォリオス』では、ドビュッシーやメシアンの影響を受けた和声言語が提示され、フランク・マルタンの『4つの短い小品』では、バロックの影響を受けた自由な十二音技法が展開されています。
マヌエル・デ・ファリャの唯一のギター作品『ドビュッシーを讃えて』では、哀愁を帯びた旋律とハバネラの官能的なリズムが融合しています。一方で、自身の『Tombeau de Blind Willie Johnson』では、ブルースの定型から離れ、スライド奏法を用いた抽象的で暗い響きを追求しています。
本作は、金属弦ギターを用いたオープンチューニングによる低音の響きから、アルトゥール・カンペラの『パーカッション・スタディ第1番』で見られる打楽器的な奏法まで、非常に多様な美学を提示しています。コンサートでの演奏が期待される作品です。
