バイオリニスト・廣津留すみれが語る音楽遍歴「物心ついたときから食事の時間もクラシックがかかっていた」〈バイオリンの日〉 - AERA DIGITAL
バイオリニスト・廣津留すみれが自身の音楽遍歴とクライスラーの楽曲について語る
8月28日は「バイオリンの日」です。幼いころからクラシックに親しみ、2、3歳で好きな曲を耳で聴いた通りに弾いていた廣津留すみれさんが、音楽遍歴と転機を語ったインタビューを再配信します(「AERA DIGITAL」に2025年11月29日に掲載されたものの再配信です。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。
小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(32)。その活動は国内外での演奏だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、中央教育審議会委員を務めたりと、幅広い。今回は、フリッツ・クライスラーのバイオリン小品集を中心に構成したソロ・アルバム「11 STORIES」をリリースした廣津留さんに、自身のクラシック音楽遍歴について振り返ってもらった。
廣津留さんの音楽人生の始まりは、クラシックから現代音楽まで幅広くCDを収集していた父の音楽ライブラリーにあります。両親ともに音楽が好きで、家や車の中では常にCDが流れており、リビングにテレビがなかったため食事の時間も音楽が流れていました。幼い頃に大好きになったのがオーストリア出身の作曲家、クライスラーの楽曲です。特に五嶋みどりさんのアルバム「アンコール!」と、イツァーク・パールマン氏が弾くクライスラーのバイオリン名曲集がお気に入りでした。バイオリンを始めた2、3歳の頃は譜面がなかったため、CDを聴いて耳で覚えた通りにまねをして弾いていました。
小学3年生の文化祭でクライスラーの「前奏曲とアレグロ」を演奏した際、クラシックを聴いたことのない友人が涙を流して感動してくれたことが心に残っています。自分がいいと思ったものを弾くことで人の心を動かせると感じた出来事でした。
中学生になるとコンクールに向け、課題曲を徹底的に研究するフェーズに入りました。チャイコフスキーの協奏曲に取り組む際は、十数枚のCDを聴き比べ、テンポや強弱を楽譜にメモして研究しました。先生の指導をベースにしつつ、自分なりの工夫を加えることで、ドラマチックな表現を好む自身の演奏スタイルが確立されていきました。