On Record: Lesley-Jane Rogers – Hommage: Tributes to Handel & Purcell (Heritage Records)
レコード評:レスリー=ジェーン・ロジャース『オマージュ:ヘンデルとパーセルへの捧げもの』(ヘリテージ・レコーズ)
レスリー=ジェーン・ロジャース(ソプラノ)、ジョン・ターナー(リコーダー)、ジョナサン・プライス(チェロ)、ジョナサン・ビルビー(チェンバロ)による演奏。
収録作品:
ルート・ツェックリン:ヘンリー・パーセルへのオマージュ(1997)、ヘンデルへのオマージュ(2004)
ロビン・ウォーカー:ヘンデル・トゥ・ヒズ・ソウル(2006)
ペープシュ:愛の柔らかな情熱(1720年出版)
パーセル:聖なる乙女の嘆き Z196、『オイディプス』Z583より「ミュージック・フォー・ア・ホワイル」、『インドの女王』Z630より「愛の病から逃れようと試みるが」
テレマン:チェロ・ソナタ ニ長調 TWV41:D6(1728-9年出版)
ヘンデル:カンタータ「忘却の甘さの中で」HWV134(1709)
ヘリテージ・レコーズ HTGCD118 [73分06秒]、歌詞・翻訳付き。リマスタリング・エンジニア:ポール・アーデン=テイラー。2006年6月14日、ハレのヘンデル・ハウスでのライブ録音。レビュー:リチャード・ホワイトハウス。
【背景】
ヘリテージ・レコーズは、作曲家の故郷ハレにあるオリジナルの「ヘンデル・ハウス」で行われたライブ公演をリリースした。ソプラノ、リコーダー、チェロ、チェンバロによる、バロック音楽と現代音楽を組み合わせた独創的なプログラムである。
【音楽について】
タイトルが示す通り、ヘンデルとパーセルへのオマージュであり、両作曲家の作品から、彼らへの敬意を間接的に込めた作品までが含まれる。パーセルは『オイディプス』やセミ・オペラ『インドの女王』からの名曲が、レスリー=ジェーン・ロジャースによってエレガントに歌われる。彼女は『聖なる乙女の嘆き』におけるレチタティーヴォとアリアの対話を雄弁に表現している。ヘンデルのカンタータ「忘却の甘さの中で」は、彼がイギリスに渡る前に名声を確立したイタリア時代の作品であり、軽薄にならず、かつ音楽の表現力を尊重した素晴らしい演奏である。
テレマンの『忠実な音楽の師』からチェロ・ソナタも収録されており、ラルゴとアレグロの単純な交互構成の中に動機的な繊細さが隠されている。ジョン・ペープシュのカンタータ「愛の柔らかな情熱」も興味深い。彼は『乞食オペラ』への貢献で知られるが、世俗カンタータなど多岐にわたるジャンルで作曲を行っており、本作にもその洗練と官能的な魅力が表れている。
現代作品では、旧東ドイツの著名な作曲家ルート・ツェックリン(1926-2007)の2曲が収録されている。「ヘンリー・パーセルへのオマージュ」はリコーダーとチェンバロを使い、マウリシオ・カーゲルを彷彿とさせるユーモアがある。「ヘンデルへのオマージュ」は、シェイクスピアのソネット3編を、バルトルト・ブロッケスによる詩に基づいたヘンデルのアリアの旋律を用いて作曲している。ロビン・ウォーカー(1953年生)の「ヘンデル・トゥ・ヒズ・ソウル」は、作曲家自身と彼の魂、女神プロセルピナとの対話を描いたカンタータで、機知に富んだアイロニカルな音楽である。
【評価】
音楽の過去と現在を巧みに融合させたプログラムである。3世紀以上の隔たりがある作品を、これほど自然に調和させた演奏家の功績は大きい。録音はラジオ放送かアーカイブ音源かは不明だが、音質に不足はなく、ロジャースの優れた発音が明瞭に聴き取れる。商業リリースに値する公演である。
【推奨】
推奨する。ブックレットには充実した解説と全歌詞(英語翻訳は一部)が掲載されている。このコンサートは、音楽学者でありサッカー史家でもあったパーシー・M・ヤング(1912-2004)を記念し、英国プロサッカー選手協会の後援で開催された。
