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🇯🇵 日本オーケストラレコ芸ONLINE · 2026年10月6日 11:02 · レビュー· 約2分で読めます

『吉松隆/管弦楽作品集』の魅力と意義――小室敬幸(前編)

ナクソス・ジャパンからリリースされた『吉松隆/管弦楽作品集』の魅力と意義を小室敬幸が解説

日本語要約
藤岡幸夫がBBCフィルハーモニック等を指揮し、1995〜2003年にCHANDOSで録音されたアルバム7枚が、ナクソス・ジャパンより『吉松隆/管弦楽作品集』としてリリースされた。音楽ライターの小室敬幸が、吉松隆の交響曲を軸にその魅力と意義を解説している。
全文(日本語)

藤岡幸夫が指揮したBBCフィルハーモニック(1枚のみマンチェスター・カメラータ)により、1995〜2003年にかけてイギリスのレーベルCHANDOSで録音された7枚のアルバムがまとめられ、ナクソス・ジャパンから『吉松隆/管弦楽作品集』としてリリースされた。

音楽ライターの小室敬幸による解説(前編)では、吉松隆の交響曲を中心とした作風の変遷が論じられている。吉松の交響曲第1番は1990年完成の《カムイチカプ交響曲》Op. 40だが、それ以前に《鳥獣保護区》Op. 4、《朱鷺によせる哀歌》Op. 12、《ドーリアン》Op. 9をもとに第1番とする構想や、《鳥たちの時代》Op. 25を第2番とする可能性が検討されていた。吉松自身が「80年代様式」と呼ぶ手法は、前衛音楽の半音階を7音の旋法に置き換えてレイヤー構造で編み込み浮遊感を生むもので、《朱鷺によせる哀歌》や《チカプ》、《天馬効果》が該当する。一方、「90年代様式」では明快なビートやブロック構造によるコントラストが志向され、その転換期に書かれたのが《カムイチカプ交響曲》である。

吉松は「新ロマン派」と誤解されがちだが、本人が主張していたのは「新抒情主義」であり、第二次世界大戦後の現代音楽を経た上で前衛的アイデアを提示する「ポスト・ビートルズ」を自称している。翌年完成の交響曲第2番《地球にて》Op. 43ではポリリズムが軸となった。今回のボックスセットに収録された藤岡による録音は、作曲者の意図したテンポ感で演奏されており、作品の変遷を再検討するレファレンスとなる。

収録作品には交響曲第1番〜第5番のほか、《天馬効果》《メモ・フローラ》《サイバーバード》《オリオン・マシーン》《ケンタウルス・ユニット》《アトム・ハーツ・クラブ組曲》第1番・第2番、《朱鷺によせる哀歌》などが含まれ、クレイグ・オグデン(g)、田部京子(p)、須川展也(sax)、イアン・バウスフィールド(tub)、ピーター・ディクソン(vc)らが参加している。

▼関連キーワード解説 (6)
吉松隆人物・団体Wikipedia ↗

吉松 隆 は、日本の作曲家。東京都渋谷区生まれ。

藤岡幸夫人物・団体Wikipedia ↗

藤岡 幸夫 は、日本の指揮者。東京都文京区出身。

BBCフィルハーモニック人物・団体Wikipedia ↗

BBCフィルハーモニック は、マンチェスターを本拠地とする英国放送協会(BBC)傘下のオーケストラであり、イギリスの主要オーケストラの一つ。

小室敬幸人物・団体Wikipedia ↗

小室 敬幸 は、日本のフリーランス音楽家。音楽ライター・大学教員・ラジオDJ・映画音楽評論家として活動する。

田部京子人物・団体Wikipedia ↗

田部 京子 は、日本のピアニスト。シューベルト弾きとしての顔も持ち、東京とベルリンを拠点に幅広く活動。北海道室蘭市出身。

須川展也人物・団体Wikipedia ↗

須川 展也 は、日本のサクソフォーン奏者。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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