「何回やっても、また振り返ってしまう」鈴木優人が三度目の『オルフェオ』へ――BCJと描く、愛と音楽の物語
鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパン、2026年11月にグルックの歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』を演奏会形式で上演へ
愛する妻を取り戻すため冥界へと降りていく音楽家オルフェオの物語を描いた、グルックが1762年に発表した歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』が、2026年11月に鈴木優人プロデュース/バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)オペラシリーズ Vol.4として上演される。会場は名古屋・しらかわホールと東京オペラシティ コンサートホールで、ピリオド楽器による管弦楽と合唱とともに全3幕を演奏会形式で届ける。
キャストには、オルフェオ役にカウンターテナーのティム・ミード、エウリディーチェ役にハナ・ブラシコヴァ、愛の神アモーレ役にソプラノのジョネ・マルティネスが出演する。
鈴木優人と『オルフェオ』の出会いは2012年、森鷗外生誕150周年記念公演で長岡京室内アンサンブルを指揮したことに始まる。森鷗外は同作を『オルフエウス』として日本語に翻訳している。その後2022年には、勅使川原三郎の演出・振付・美術による新国立劇場の舞台で再び指揮を務めた。鈴木にとって三度目となる今回は、初めてBCJとともに向き合う公演となる。
鈴木は「振り返ってはならない」という人間の根源的な弱みに触れるテーマに惹かれると語り、旧約聖書の「ロトの妻の塩柱」にも言及している。また、演奏会形式での上演について、舞台装置にとらわれず音楽そのものや作曲家の意図にフォーカスして鑑賞できる利点を挙げている。作中には「精霊の踊り」やアリア「エウリディーチェを失って」などの楽曲が含まれる。
さらに、BCJが2027年のベートーヴェン没後200年に向けて進めている「ベートーヴェンへの道」シリーズにおいて、ベートーヴェンに多大な影響を及ぼしたグルックの作品を取り上げることは重要な位置づけを持つと鈴木は述べている。
