これがクラシック音楽の注目盤だ! 2026年9月 新譜月評「ダブル評」批評文総まとめ
『レコード芸術ONLINE』2026年9月の新譜月評でサラステ指揮のシベリウス交響曲全集やシュトゥッツマン指揮のブルックナー第4番を批評

『レコード芸術ONLINE』の新譜月評2026年9月更新分ダイジェスト版において、クラシック音楽新譜のダブル評が公開された。
【オーケストラ曲】シベリウス:交響曲全集(3枚組/オンディーヌ NYCX10600)
演奏:ユッカ=ペッカ・サラステ指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
評者:相場ひろ(評価:推薦)/石原勇太郎(評価:推薦)
・相場ひろの評:サラステにとってフィンランド放送響との2度の録音に続く3度目、ヘルシンキ・フィルにとっては通算4度目となる全集録音。ヘルシンキ・フィルの豊かなサウンドが際立ち、弦楽器が低声部から力強く支え、管楽器のアンサンブルも安定している。サラステの解釈は成熟しており、力強く曖昧さのないダイナミクスや全体を大きく俯瞰したスケール感が示されている。
・石原勇太郎の評:細かな休符によるリズムを推進力に変え、重々しく深い音色で作品の力強さを引き出している。第1番・第4番が収められたディスク1、輝かしい第2番・第5番のディスク2、第3番・第6番・第7番のディスク3それぞれについて各楽章の緻密な構成や音色づくりが言及され、自信をもって推薦できる全集と評されている。解説書にはアンティ・ヘイリュネン、国内仕様盤には神部智による解説が付されている。
【オーケストラ曲】ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》(SACDハイブリッド/ワーナー・クラシックス WPCS13894)
演奏:ナタリー・シュトゥッツマン指揮アトランタ交響楽団
評者:舩木篤也(評価:推薦)/増田良介(評価:推薦)
・舩木篤也の評:シュトゥッツマンによる《新世界より》に続く同楽団との録音第2弾。金管楽器を抑制し各声部を生かしたダイナミクス設計、練り上げられたフレージング、絶妙な呼吸感のテンポ設定など、思慮深く丁寧な音楽性が高く評価されている。
・増田良介の評:使用楽譜は2021年に刊行されたベンヤミン=グンナー・コールス校訂版。第2楽章冒頭の伴奏弦楽器が一貫してピッツィカートになる点や、第4楽章の任意カットを採用していない点などの特徴が挙げられている。演奏面ではアトランタ響の明るい音色と遅めのテンポ設定が際立つ個性的な録音であるとされている。
