沖澤のどか×ソフィー・デルヴォー「音楽家を続けるべきか」悩んだ日々と自分らしいキャリアの築き方
沖澤のどかとソフィー・デルヴォーが対談、キャリアの葛藤や音楽家としての生き方を語る

指揮者の沖澤のどかとファゴット奏者のソフィー・デルヴォーがキャリアについてインタビューに応じた。
キャリアの悩みについて、デルヴォーはオーディションやコンクール、試用期間のプレッシャーなど、状況に対応しながら乗り越えていく必要性を語った。沖澤は指揮科に入学後やアシスタント時代に自信を持てなかったこと、第一子出産後に音楽家を続けるべきか1年半ほど問い続けていたことを明かした。沖澤はその後、京都でのポジションや松本で小澤征爾から声をかけられたことを原動力に、試行錯誤を経てペースを取り戻したという。
キャリアの進め方について、デルヴォーはオーケストラ入団後もコンクール出場を経てソリストとして活動し、さらに指揮も始めるなど、一歩ずつ成長を重ねてきた過程を語った。
音楽家ならではの難しさとして、沖澤は人格と音楽性を切り離すことの難しさや、音楽への依存と距離感のバランス、狭い業界内のプレッシャーを挙げた。デルヴォーは、自宅では音楽をあえて聴かず料理をしながらポッドキャストを聴くなど、仕事と私生活を明確に分けることの重要性を述べた。
ジェンダー平等について、デルヴォーは変化しつつも課題が残っていると指摘。沖澤は、女性支援が時に「女性だから選ばれた」という見方を生む難しさや、意思決定権を持つ層に白人男性が多い現状を挙げ、舞台上だけでなく選考や意思決定の構造自体が変わる必要性を強調した。
また、若い音楽家の育成環境として、ヨーロッパのオーケストラ・アカデミー制度の有用性や、二人が学んだカラヤン・アカデミーの経験について言及した。音楽界の今後について、デルヴォーは文化が社会や歴史の理解において果たす役割とそれを意思決定層に理解してもらう重要性を訴え、沖澤は世界各地で主要な指揮者やソリストの顔ぶれが固定化している現状に対し、もっとローカルな広がりがあっても面白いのではないかと語った。
