クリストフ・エッシェンバッハ指揮 NHK交響楽団ブラームス交響曲全曲演奏会1
クリストフ・エッシェンバッハ指揮、NHK交響楽団によるブラームス交響曲全曲演奏会の初日公演レビュー

NHK交響楽団のブラームス交響曲全曲演奏会の初日(10月30日、東京芸術劇場 コンサートホール)についての音楽評論家・那須田務による公演評。
当初、初日は99歳のヘルベルト・ブロムシュテットが指揮する予定だったが、体調上の理由により、二日目を指揮するクリストフ・エッシェンバッハが初日も指揮台に立つこととなった。筆者にとって昨年のセイジ・オザワ松本フェスティバルのマーラー「復活」以来となるエッシェンバッハは、付き添いに支えられ杖を片手に登壇し、椅子に座って指揮を行うなど体力的な衰えが感じられた。左手は肩より上に上がらず、右手で拍子を振るのみであったが、どっしりとした力強いサウンドが引き出された。
前半に演奏された交響曲第2番では、アンサンブルのまとまりに課題はあったものの、楽員一人ひとりが指揮者と呼吸を合わせる自発的な表現が見られ、コンサートマスターの長原幸太を中心に室内楽的な感興が生まれた。第2楽章のチェロの主題や第4楽章の対比、熱量の増したコーダなどが展開された。
後半の交響曲第4番では、オーケストラの各セクションの表現の純度が増した。細かな指示を控えオーケストラの自発性に委ねる指揮により、第1楽章の弦の歌い回し、第2楽章のホルンや木管、第3楽章の総奏とフォルテ、そして終楽章の管楽器によるシャコンヌ主題やフルート、クラリネット、オーボエへと旋律が受け渡される展開などが堅牢なアンサンブルとともに響き渡った。
【公演データ】
NHK交響楽団ブラームス交響曲全曲演奏会
10月30日(金)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:長原幸太
プログラム:
ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 Op.73
ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98
