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🇯🇵 日本クラシック全般レコ芸ONLINE · 2026年10月30日 17:32 · レビュー· 約1分で読めます

女性ヴァイオリニストと「男性性」 ジネット・ヌヴー/イゾルデ・メンゲス④

ヴァイオリニストの原田真帆、連載「名演奏家再批評」でジネット・ヌヴーの演奏とジェンダーを論じる

日本語要約
ヴァイオリニストでジェンダースタディーズを研究する原田真帆による連載「名演奏家再批評」の第4回。録音史初期の女性ヴァイオリニストであるジネット・ヌヴーを取り上げ、男性性至上主義への迎合や自らのミソジニーによる葛藤、ヌヴーの屈強な演奏への評価を論じている。あわせて1935年のヴィエニャフスキ国際コンクールでヌヴーに敗れたダヴィッド・オイストラフが妻に宛てた手紙での彼女への賛辞も引用されている。
全文(日本語)

金曜連載「名演奏家再批評」第10弾として、ヴァイオリニストで西洋クラシック音楽におけるジェンダースタディーズを研究する原田真帆による、録音史初期の女性ヴァイオリニストであるジネット・ヌヴーとイゾルデ・メンゲスをフェミニズムの観点で再批評する連載の第4回。

欧州でも日本でも、ヴァイオリンは公に活躍する女性奏者の受容が比較的早かったが、それは男性並みに力強く演奏できた場合に認められ、そうでなければ嫁入り修行や芸者のように扱われてきた。こうした固定観念は認められたいと願う側にも受け継がれ、男性性至上主義に迎合していくようになる。

筆者は、自身が女性に分類される身体を持ちながら演奏するなかで、女性性を排除することに注力し窮屈な演奏になってしまった経験を明かす。また、ミソジニーが邪魔をして長い間ヌヴーの演奏を素直に聴けず「嫌い」と感じていた理由について、音楽のつくりがあまりに屈強で弱点がなく、己の弱みを自覚させられるからであったと気づいたと述べている。

記事ではヌヴーの録音として、イサイ・ドブロヴェンおよびワルター・ジュスキント指揮フィルハーモニア管弦楽団とのブラームスおよびシベリウスのヴァイオリン協奏曲(録音:1946年8月、1945年11月)のディスク情報を紹介。さらに、1935年のヴィエニャフスキ国際コンクールでヌヴーに敗れて2位となったダヴィッド・オイストラフが妻へ送った手紙の中で、当時若年だったヌヴーのヴィエニャフスキの協奏曲演奏の強靭さと迫力、その悪魔的な才能を称賛し、彼女の1位を認めた言葉を引用している。

▼関連キーワード解説 (5)
ジネット・ヌヴー人物・団体Wikipedia ↗

ジネット・ヌヴー は、フランスのヴァイオリニスト。稀にみる天才的ヴァイオリニストで将来はフリッツ・クライスラー、ジャック・ティボーと並ぶ名人になることを確実視されていたが、航空機事故により30歳で死去。

ブラームス人物・団体Wikipedia ↗

ヨハネス・ブラームス は、ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者。J.S.バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)と共にドイツ音楽における三大Bとも称される。ハンブルクに生まれ、ウィーンに没する。作風は概してロマン派音楽に属するが、古典主義的な形式美を尊重する傾向も強い。

シベリウス人物・団体Wikipedia ↗

ジャン・シベリウス は、後期ロマン派から近代にかけて活躍したフィンランドの作曲家、ヴァイオリニスト。

ワルター・ジュスキント人物・団体Wikipedia ↗

ワルター・ジュスキント は、チェコの指揮者。

ダヴィッド・オイストラフ人物・団体Wikipedia ↗

ダヴィート・フョードロヴィチ・オイストラフ は、ロシア帝国のオデッサ 出身のユダヤ系ヴァイオリニスト、指揮者。息子イーゴリ・オイストラフもヴァイオリニストである。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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