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🇯🇵 日本室内楽レコ芸ONLINE · 2026年10月22日 11:32 · レビュー· 約2分で読めます

コパチンスカヤ&ファジル・サイ 新作デュオ・アルバム『パトコップ&サイ』に聴く 二人の異才の音楽世界

パトリツィア・コパチンスカヤとファジル・サイが3枚目のデュオ・アルバム『パトコップ&サイ』をリリース

日本語要約
ヴァイオリニストのパトリツィア・コパチンスカヤとピアニストのファジル・サイによる3枚目のデュオ・アルバム『パトコップ&サイ』がリリースされた。本作にはサイのヴァイオリン・ソナタ第3番や、コパチンスカヤがパトコップ名義で作曲した《ユニソロ》の実質的初音盤化音源のほか、シマノフスキの《神話》、プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1番が収録されている。
全文(日本語)

コパチンスカヤとファジル・サイが、デビュー盤『スーパー・デュオ!』(2008年、Naïve)、『ヤナーチェク、ブラームス、バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ集』(2023年、アルファ)に続く3枚目のデュオ・アルバム『パトコップ&サイ』を発表した(2人はこの10月に来日するが、日程が被らずデュオは実現しなかった)。

本作では、2020年頃から「パトコップ」の名で作曲家としても活動し約50作品を手がけてきたコパチンスカヤの作品が、実質的に初めて本格収録された。アルバムにはサイのヴァイオリン・ソナタ第3番《ロスト・スクリームズ・ソナタ》も収められ、2人の作曲家・演奏家としての側面が提示されている。

コパチンスカヤを念頭に作曲されたサイの《ロスト・スクリームズ・ソナタ》は、ピアノのオスティナートとエキゾチックな狭い音程が多用された楽曲。パトコップのヴァイオリンとピアノのための《ユニソロ》(日本語版解説書では「ウニゾロ」)は、ブーレーズの1950年代セリー音楽を想起させる第1曲、フェルドマンの静謐な作品を彷彿とさせる第2曲、クラスター主体のピアノとヴァイオリンによる第3曲で構成される。

さらに、シマノフスキの《神話》や、ロシアの政治体制を憂慮するコパチンスカヤが第2次世界大戦の期間と創作時期が重なることから選んだプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1番も収録されている。

【アルバム情報】

『パトコップ&サイ』

収録曲:サイ:ロスト・ヴァイオリン・ソナタ 第3番《スクリームズ・ソナタ》、シマノフスキ:神話、パトコップ(パトリツィア・コパチンスカヤ):ユニソロ、プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番

演奏:パトリツィア・コパチンスカヤ(vn)、ファジル・サイ(p)

録音:2026年4月26日

レーベル等:[アルファ(D)NYCX10621]CD、2026年10月16日より発売中

文:平野貴俊(音楽学)

協力:ナクソス・ジャパン

▼関連キーワード解説 (4)
パトリツィア・コパチンスカヤ人物・団体Wikipedia ↗

パトリシア・コパチンスカヤ は、モルドバ、オーストリア、スイスのヴァイオリニスト。

ファジル・サイ人物・団体Wikipedia ↗

ファジル・サイ は、トルコ出身のピアニスト兼作曲家。日本では「鬼才! 天才! ファジル・サイ!」のキャッチコピーで知られ、アニメーション映画の劇伴作曲も手掛けた。

アンナ・プロハスカ人物・団体Wikipedia ↗

アンナ・プロハスカ は、ドイツの歌手(ソプラノ)。音楽一家に生まれ、コロラトゥーラタイプのソプラノとして若年から活躍を見せ、バロック音楽から現代音楽まで幅広く手掛けている。

神話作品Wikipedia ↗

神話 は、人類が認識する自然物や自然現象、または民族や文化・文明などさまざまな事象を、世界が始まった時代における神など超自然的・形而上的な存在や文化英雄などとむすびつけた一回限りの出来事として説明する物語であり、諸事象の起源や存在理由を語る説話でもある。このような性質から、神話が述べる出来事などは、不可侵であり規範として従わなければならないものとして意義づけられている。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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