Maurice Ravel, l’insaisissable (Louis Bergès)
モーリス・ラヴェル、捉えがたき人(ルイ・ベルジェ著)
この本はまさに適切なタイミングで出版された。夏休みや旅行の際にスーツケースに入れておくべき一冊である。歴史家であり古生物学者でもあるルイ・ベルジェが提示する、ラヴェルの人生を辿る旅路は非常に刺激的だからだ。ウラジーミル・ジャンケレヴィッチが評した「嫉妬深いほどに捉えがたい(insaisissable)」という言葉が、本書のタイトルにも採用されている。ラヴェル自身、人々がその謎を解き明かそうとすると、悪戯っぽく手がかりを曖昧にすることを好んだ。ごく親しい友人以外には、ほとんど自分をさらけ出さなかったのである。
著者ルイ・ベルジェ自身も、自身の経歴についてはあまり語らない。2003年に『19世紀フランス音楽愛好家事典』に寄稿したこと、そしてボルドーの出版社と同様に、自身がかつて県立公文書館の館長を務めたジロンド地方に深い愛着を持っていること以外は知られていない。調査という形式をとった本書は、その明晰な文体と魅力的な語り口により、一気に読み進めることができる。ページをめくるごとに、ラヴェルの人柄に惹きつけられていく。本書は、音楽家としては有名だが私生活は謎に包まれていたこの人物に対する、愛と優しさに満ちた宣言でもある。
冒頭から「パリジャン、スイス人、ユダヤ人、スペイン人、そして何よりもピレネーのバスク人と称されるこの人物は、謎のままである」とトーンが設定される。ベルジェは「モーリスは、その出自からイベリアの情熱と、スイスの緻密さと正確さを併せ持っていた」と付け加える。これ以降の内容は、ぜひ本書で確かめてほしい。家族はサヴォワとスイスの出身で、スペイン系の姓を持つ母はバスク地方のシブールで生まれた。母は幼少期をマドリードで過ごし、父はアランフエスの庭園で母と出会ったとされる。音楽愛好家でジュネーブ音楽院のピアノ賞を受賞していた父は、息子の音楽の才能を早くから見抜いていた。
本書の調査は学術的でありながら、決して堅苦しくない。例えば、ラヴェルを擁護し続けたガブリエル・フォーレとの美しい関係や、ラヴェルの成功に苛立った一部の作曲家グループ(ドビュッシーを含む)からの攻撃についても触れられている。ベルジェは、ラヴェルが当時最も演奏された現役作曲家であったことを認識させてくれる。また、1911年以降のシブール滞在やピレネー越えの旅が、彼の人生と作品、特に1928年の『ボレロ』に与えた影響を分析している。ピアニストのリカール・ビニェスや、パリで交流したキューバの作曲家ホアキン・ニンとの友情についても詳述されている。
作曲家の同性愛疑惑についても、過度に重要視することなく繊細に扱われている。さらに重要な点として、ベルジェは第一次世界大戦におけるラヴェルの献身や、戦後のウェーベルンやシェーンベルクといったオーストリアの若手作曲家を擁護した深い人間性を強調している。また、当時アメリカをはじめとする海外で最も称賛されたフランス人作曲家であったことも忘れてはならない。彼はアメリカを巡り、ジャズを発見し、ガーシュウィンやカナダのソプラノ歌手エヴァ・ゴーティエと親交を深めた。ラヴェルの音楽は物語の根底に常に流れており、読後はすぐに『ダフニスとクロエ』、『ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ』、あるいは歌劇『子供と魔法』や『スペインの時』を聴きたくなるだろう。

