音楽の深掘りは無限にできる! 〜クラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さんにきく
クラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄が語る、楽曲を深く聴くためのヒントとアプローチ

Webマガジン「ONTOMO」の特集「鑑賞のヒント」において、ポッドキャスト番組『ONTOMO Radio』の内容をもとに、クラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄が楽曲を深く聴くための方法を語った。
クラシック音楽は400年の歴史があり全てを網羅することは不可能であるため、飯田は「すべて知ることはできない」と前置きし、映画やドラマ、あるいはピアノの経験など、自分のなかにある「気になる」ポイントや「フック」を大切にすることを勧める。ベートーヴェンの「交響曲第9番」などを聴いてピンとこない場合は無理をせず、別の演奏家を何人も聴き比べたり、同じ作曲家の別の曲(交響曲第5番《運命》、弦楽四重奏、ピアノ曲など)に切り替えたりして周辺を探ることで、作曲家特有の「手ぐせ(書きぐせ)」が感じられるようになると説明している。
また、同時代のハイドンや少しあとのシューベルトなどへ広げることで「時代の空気」が見え、音楽史や背景を知ることで自身の印象を言葉にしやすくなると述べる。「ソナタ形式」などの音楽理論用語についても、コンサートの曲目解説で知らない言葉があればAIなどで調べ、1つずつ知識を増やせばよいとし、「わからないのがデフォルトでいい」と語っている。
さらに深く楽しむ方法として、スコア(楽譜)を見ながら音楽を視覚的に追うこと、大人の音楽教室などで自ら楽器や歌を体験して身体性や演奏の難しさを実感すること、イヤフォンやスピーカーなどのオーディオ機器をアップグレードして聴こえる音の分離や息遣いを楽しむことなどを挙げた。
最後に「どこまで深められるか」という問いに対して飯田は「無限」と答え、無理をせず人と比べず、寄り道しながら自分なりに聴いていくプロセスそのものが楽曲を深めることにつながるとまとめている。


