ピアニスト北村朋幹が日本人作品に取り組む…「手探り」で探究する武満徹や八村義夫、「余白」「不規則」を重視 - dメニューニュース
ピアニスト北村朋幹が日本人作品に取り組む…「手探り」で探究する武満徹や八村義夫、「余白」「不規則」を重視
オーケストラとの共演、ソロ、室内楽と幅広い活躍をみせるピアニスト北村朋幹は、これまでベートーベンからジョン・ケージまで幅広いレパートリーを弾いてきた。「興味のある曲を自然な形で弾くのが理想」と話し、型にはまらない自由な選曲を好む。
武満徹のピアノとオーケストラのための「アステリズム」は、井上道義指揮・札幌交響楽団との2024年のライブ録音である。「作曲家があえて『余白』を残した音楽を、井上さんはすごく(表現している)」と語る。
アルバムにはベリオやシュトックハウゼンの独奏曲も収められているが、注目は「以前からすごくやってみたかった」という八村義夫の室内楽作品である。バイオリン(林悠介)、ビブラフォン(野本洋介)、チューブラーベル(西久保友広)と共に奏でる音楽は、「不規則に」という作曲家の指示通り、互いに音を「合わせる」ことなしに音楽を作っていく。コントロールできない衝動に形を与えるという矛盾が、「星空の下に在る、自然界の交感に、自身から感応していく」(八村)音楽として立ち現れた。
いつも「手探り」で音楽を探究するピアニストにとって、本番前の準備は「すごくつまらない作業」だ。練習すればするほど音楽は予定調和のうちに収まってしまう。一方で、直感に基づく即興を重視することは失敗のリスクを伴う。「怖いけれど、自分はそういうやり方しかできない。音楽は常に『発展途上』であるべきですから」
8月8日午後2時から池袋の東京芸術劇場で、尾高忠明指揮の東京都交響楽団と松村禎三のピアノ協奏曲第2番を共演する。ピアノとオーケストラが呪術的なエネルギーを解き放つこの曲で、音楽の始原の響きをどのように聴かせるのかが注目される。

