片山杜秀×原塁 武満徹を語る② 「うた」から「うた」、そして社会へ
片山杜秀と原塁が語る武満徹の音楽世界と「うた」の変遷

日本語要約
音楽評論家の片山杜秀と研究者の原塁が、没後30年を迎える作曲家・武満徹の音楽について対談。1970年代を創作の分岐点とし、雅楽や映画音楽、ポップソングなど多岐にわたる活動の根底にある「うた」の重要性や、演奏史における響きの捉え方、社会との関わりについて議論した。
全文(日本語)
音楽評論家の片山杜秀と、音楽学・表象文化論を専門とする研究者・原塁によるオンライン対談「武満徹の音楽世界」の第2部。武満徹(1930~96)の没後30年を記念し、その音楽の実像に迫る。
対談では、武満が「瞬間的なジェスチャー」から「うた」へ回帰する分岐点として1970年代が挙げられた。片山は《秋庭歌》(1973)や《秋庭歌一具》(1979)を重要なポイントとし、雅楽への接近が旋律やハーモニーを取り戻す過程と重なると指摘。晩年、武満自身が「僕の音楽は歌なんだ」と語るようになった背景には、演奏会用作品、雅楽、映画音楽、ポップソングのすべてに「うた」を根底に持つ作曲家として認知されたいという欲望があったと分析した。
原は、ピアノ曲《フォー・アウェイ》(1973)を挙げ、ガムランの影響や倍音列の展開など、響きを構成する多様な方向性が70年代に存在したと述べた。また、ハーピスト木村茉莉の証言を引用し、武満が楽譜上のテンポ表示以上に「ゆっくりとした響き」を求めていたことや、晩年の坂本龍一の音楽観との共通点についても議論が及んだ。
演奏史については、武満が園田高弘、高橋悠治、高橋アキ、小川典子ら多くの演奏家に恵まれていたことに触れ、没後30年を経て新たな魅力が発見される可能性を示唆した。原は、かつて武満と仕事をした演奏家の解釈を知ることが、次世代の新しいアプローチを生むために重要だと語った。
なお、2026年9月26日には水戸芸術館にて「武満徹の肖像」公演が、10月4日には伶楽舎による「秋庭歌一具」の演奏が予定されている。
▼関連キーワード解説 (5)
出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
次に読むなら
片山杜秀 の他の記事
🇯🇵 日本現代音楽ニュースレコ芸ONLINE8/13 10:02
武満徹を読み解く4つのキーワードとおすすめディスク
武満徹を読み解く4つのキーワードとおすすめディスク
白石美雪武満徹国立劇場
🇯🇵 日本ピアノニュースGoogle News JP ピアニスト38/5 08:32
ピアニスト北村朋幹が日本人作品に取り組む…「手探り」で探究する武満徹や八村義夫、「余白」「不規則」を重視
ピアニスト北村朋幹が日本人作品に取り組む…「手探り」で探究する武満徹や八村義夫、「余白」「不規則」を重視 - dメニューニュース
北村朋幹武満徹東京芸術劇場
🇯🇵 日本ピアノニュースGoogle News JP 指揮者28/3 11:32
ピアニスト北村朋幹が日本人作品に取り組む…「手探り」で探究する武満徹や八村義夫、「余白」「不規則」を重視
ピアニスト北村朋幹が日本人作品に取り組む…「手探り」で探究する武満徹や八村義夫、「余白」「不規則」を重視 - dメニューニュース
北村朋幹武満徹東京芸術劇場
同じテーマの最近の記事
🇩🇪 ドイツ現代音楽ニュースGoogle News JP 現代音楽9/8 10:02
作曲家・藤倉大のピアノ協奏曲第4番「Akiko’s Piano」と被爆ピアノを巡る取り組み
<音が伝える戦争~明子さんのピアノ ドイツへ~⑤> 命の尊さを 楽器が演奏されてこそ - 中日新聞Web
藤倉大河本明子ハンブルク
🇪🇸 スペイン現代音楽ニュースMundoclasico9/8 09:01
ベレニッシュ・モレノ=ギルがNAKフェスティバル2026の作曲レジデンスに登場
Belenish Moreno-Gil protagoniza la residencia de composición del Festival NAK 2026
🇪🇸 スペインオーケストラニュースMundoclasico9/8 09:01
ナバラ交響楽団がNAKユートピアにて若手作曲家による4作品を初演
La Sinfónica de Navarra estrena cuatro obras de jóvenes compositores en NAK Utopía
タグ
片山杜秀原塁宮田まゆみ伶楽舎荒木奏美芝祐靖北村朋幹井上道義林悠介野本洋介西久保友広木村茉莉アンサンブル・タケミツ中川共小泉浩織田なおみ鈴木良昭猶井正幸野々下興一奥村晃松原勝也鈴木理恵子佐藤紀雄篠﨑史子高橋アキ藤井一興啼鵬北村聡山口恭範吉原すみれ小川典子鈴木大介岩佐和弘波多野睦美高木綾子水戸芸術館コンサートホール ATM遮られない休息SONGS秋庭歌秋庭歌一具太食調音取合歓塩嘉辰抜頭ディスタンス武満徹の肖像参音声吹渡塩梅吹渡二段退出音声ノヴェンバー・ステップス鳥は星形の庭に降りる遠い呼び声の彼方へ!アステリズムフォー・アウェイヴォイススタンザⅠ・Ⅱエキノクス海へムナーリ・バイ・ムナーリ森のなかでブライス雨の樹素描Ⅰ&Ⅱ揺れる鏡の夜明けマスクウェイヴズクロストーク巡り雨の呪文雨の樹 素描ピアノ・ディスタンス燃える秋ワルツエアうたうだけ死んだ男の残したものは翼MI・YO・TA弦楽のためのレクイエム
