沼尻竜典「若手演奏家に古典と現代音楽を隔てる壁はない」~「時を編む響」公演への誘い
沼尻竜典「若手演奏家に古典と現代音楽を隔てる壁はない」~「時を編む響」公演への誘い

2026年8月27日、サントリーホールにて開館40周年記念特別公演「時を編む響」が開催される。本公演は「サントリーホール サマーフェスティバル2026」の一環であり、現代音楽をより身近に楽しむことを目的とした3部構成の大規模なコンサートである。
指揮を務める沼尻竜典は、本公演の狙いについて「現代音楽を日常に寄り添うものにすること」と語る。プログラムは、カミーユ・ペパン、池田亮司、ショーン・シェパード、トーマス・アデスの作品(日本初演)に加え、三善晃の《決闘》、武満徹の《リヴァラン》で構成される。沼尻は、作品の選定において「斬新さ」よりも「純粋に魅力的な音楽かどうか」を重視したと述べている。
ソリストには、普段は古典作品を中心に活躍する若手演奏家が起用された。沼尻は「彼らの世代には、古典と現代音楽を隔てる壁はない」と評し、砂田愛梨(ソプラノ)、小林愛実(ピアノ)、成田達輝(ヴァイオリン)、石上真由子(ヴァイオリン)の名を挙げた。これにより、現代音楽に対する心理的なハードルを下げ、幅広い層に興味を持ってもらうことを目指している。
公演は3部構成で、第1部では石上真由子らがカミーユ・ペパンと池田亮司の作品を演奏。第2部では砂田愛梨が三善晃《決闘》を、小林愛実が武満徹《リヴァラン》を独奏する。第3部ではショーン・シェパード《表現抽象主義》とトーマス・アデス《アリア(エア)》が演奏され、アデス作品のソリストを成田達輝が務める。
沼尻は、武満徹と三善晃の作品を取り上げる理由について、日本の現代音楽を語るうえで欠かせない存在であると説明。自身の師でもある三善晃の音楽に込められた死生観や、武満徹の音楽的背景についても言及した。また、イタリアを拠点に活動する砂田愛梨を《決闘》のソリストに迎えることの意義についても触れている。