On Record – Valerie Fritz & Nina Gurol: Pas de deux (NEOS Music)
レコード評:ヴァレリー・フリッツ&ニーナ・グロル『Pas de deux』(NEOS Music)
ヴァレリー・フリッツ(チェロ)、ニーナ・グロル(ピアノ)
レベッカ・クラーク:ヴィオラ・ソナタ(1919年、作曲者編曲)
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 L135(1915年)
ヨーク・ヘラー:Mouvements(2010年)、ピアノ・ソナタ第3番(2010-11年)、Signe ascendant(2024年)
NEOS Music 12526 [74分02秒]
プロデューサー:ドミニク・ヴァインマン、マリー=ジョセフィン・メルヒオール、エンジニア:クレメンス・カンプ
録音:2025年4月14日〜16日、バイエルン放送第2スタジオ(ミュンヘン)
評:リチャード・ホワイトハウス
【内容について】
NEOSからリリースされた本作は、ヨーク・ヘラー(1944年生)の対照的な3作品を、20世紀初頭の2つのソナタと組み合わせたアルバムである。出演した演奏家たちの芸術性と洞察力によって、示唆に富むプログラムとなっている。
【楽曲について】
ヘラーの近作である『Signe ascendant』は、ピエール・ブーレーズの生誕100年を記念して書かれた。ブーレーズの姓から導き出された動機を用いた小品で、この作曲家らしい明晰で起伏に富んだ展開を見せる。ドイツ産業文化連盟のコンクール用に書かれた『ピアノ・ソナタ第3番』は、絶えず進化し続ける単一楽章の作品である。即興的な導入部から始まり、鋭さと叙情性を交互に繰り返しながら、論理的に構築された結末へと向かう。ヘラーの過去の作品から42年、24年を経て書かれた本作は、作曲当時のヘラーの音楽を総括するものとなっている。
『Mouvements』は「抽象的」あるいは「空想的」なバレエ音楽であり、ヘラーの師であるベルント・アロイス・ツィンマーマンの作品との関連性が明確である。しかし、他の作曲家と間違えることはない。Entréeの皮肉な遊び心はPas de deuxで強まり、Interludeは思索的な静けさを提供し、Finaleがテーマと概念をまとめ上げている。
ドビュッシーのチェロ・ソナタは、抑制されつつも洞察に満ちた解釈である。「プロローグ」の移ろいやすい不確かさが「セレナード」の断片的な身振りと対比され、それが「フィナーレ」の張り詰めたエネルギーへと昇華されている。
レベッカ・クラークのヴィオラ・ソナタ(チェロ編曲版)の解釈はさらに優れている。「Impetuoso」の落ち着かない思索、「Vivace」の対話、そして「Adagio」の恍惚とした静けさが、力強く肯定的な終結へと導かれる。過去四半世紀でレパートリーの要となった本作の素晴らしい演奏である。
【総評】
プログラムの順序については、ドビュッシーから始まりヘラーの3作品を経てクラークで終わる構成も考えられたが、演奏の説得力は揺るがない。ヴァレリー・フリッツとニーナ・グロルは、各作品の特質を伝えつつ、それらの様式的なつながりを浮き彫りにしている。ファビオ・マルティーノによるヘラーのソナタ第3番の録音を知る者にとっても、グロルの演奏はより洞察に満ちていると感じられるだろう。
【推奨】
強く推奨する。音質は広がりがありつつも輪郭がはっきりしており、NEOSの高い基準を満たしている。演奏者による簡潔で有益なブックレット解説も付いている。今後もこのような現代音楽とコンテンポラリー音楽の組み合わせがリリースされることを期待したい。