亀井聖矢インタビュ~夢に向かう大きな一歩、ベルリン・フィルのメンバーと自作曲を初演
亀井聖矢インタビュ~夢に向かう大きな一歩、ベルリン・フィルのメンバーと自作曲を初演
ベルリン・フィルの公認アンサンブル「フィルハーモニー・カメラータ・ベルリン」の初来日ツアーに、ピアニストの亀井聖矢がソリストとして登場する。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番に加え、亀井自身が作曲したピアノと弦楽のための作品を世界初演する。
亀井にとって、ベルリン・フィルのメンバーと自作を初演することは大きな挑戦であり、ステップとなる。12名の弦楽器とピアノという編成の作品は珍しく、各楽器の音色やハーモニーを想像しながら作曲を進めている。リハーサルを通じてメンバーから意見をもらい、オーケストレーションを調整する予定である。この自作曲は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の前に置く序曲のような位置づけで、ベートーヴェンの苦悩から希望へ向かう精神状態を意識し、古典的な構成の中に近代的な音像やハーモニーを取り入れている。終盤はハ長調のハーモニーで救いと共に終わり、そこからハ短調のピアノ協奏曲第3番へ繋がる構成を想定している。
亀井は最近、ベートーヴェンの生地であるボンを訪れ、ベートーヴェンハウスで自筆譜を確認した。これにより、作品がどのような意図で生み出されたのかを深く理解できるようになったという。また、ドイツ留学生活を通じて、作品を練習して手の内に入れるだけでなく、音の意味を心で感じられる状態まで高められるようになったと語る。秋にはブラームスのピアノ協奏曲第1番と第2番を控えており、ブラームスについても研究を進める予定である。
ベートーヴェンやブラームスのような、堂々と音を鳴らして構築する作品に心地よさを感じており、自身の意思を指先に伝えて表現することに喜びを見出している。昨年のエリザベート国際音楽コンクール入賞から1年が経過し、現在は作曲や新しいレパートリーの勉強、謎解きの企画など、コンクール挑戦中にはできなかった活動に時間を割いている。
また、日本とヨーロッパのホールにおける響きの違いについても言及した。日本のホールは響きが豊かで全体的な美しさが強調される一方、ヨーロッパはドライな響きが多く、一音一音の意思を明確にする必要があると分析している。今後はホールごとの特性に合わせた音作りを意識したいと述べた。演奏中は情熱に身を委ねる自分と客観的な自分が共存しており、音楽の魅力をわかりやすく伝えたいという情熱を持って活動を続けている。
