サントリー音楽賞、佐藤俊介へ贈賞「出会いがあって今がある。新たなスタート地点」
第57回サントリー音楽賞の贈賞式が開催、佐藤俊介へ賞が贈呈される

9月29日、サントリーホール ブルーローズにて、第57回サントリー音楽賞を受賞した佐藤俊介(ヴァイオリン/指揮)と、第25回佐治敬三賞を受賞した「日野浩志郎新作音楽公演『Chronograffiti』」の贈賞式が行なわれた。
サントリー音楽賞は1969年の創設以来、毎年、その前年度においてわが国の洋楽文化の発展にもっとも顕著な功績のあった個人または団体を顕彰し、贈呈している。賞金は700万円。贈賞理由には、「分断に歪み、混迷を深めるいまの時代において、芸術家にしかできないことをアクチュアルに示し続けている。楽しむだけではなく、思考を突き動かすためにこそ、音楽を。そうした佐藤のビジョンを照らし、クラシック音楽の未来の一翼を担うひとりとして、今後の歩みへの期待を示すもの」ということがあげられている。
贈賞式では、ビーバー《ロザリオのソナタ》よりパッサカリアを演奏して喝采を浴びた後、佐藤俊介がスピーチを行なった。
ヴァイオリニストであり、指揮者、室内楽奏者である佐藤俊介は、世界各地のピリオド楽器アンサンブルやシンフォニック・オーケストラを指揮し、ソリストとしても出演。2013~23年オランダ・バッハ協会のコンサートマスターを、18年からは音楽監督を兼務し、録音したJ.S.バッハのカンタータや器楽作品の数々は、同協会のYouTubeで見ることができる。2011年からはコンチェルト・ケルンのソリスト、指揮者、コンサートマスターを務め、2013年からアムステルダム音楽院の教授としてヒストリカル・ヴァイオリンを教えている。
贈賞式に登壇した佐藤は、受賞への光栄な思いを述べるとともに、ブルーローズは26年前の2000年に16歳で日本での初コンサートを行なった特別な会場であると語った。アメリカ育ちだった当時の思い出や、これまで支えてくれた人々への感謝を伝え、「本日の受賞式も、今の私にとって新たなスタート地点であるような気がする。これからどんな経験をし、どんな出会いが待っているか、楽しみでならない」と述べた。
佐藤は最新アルバム『BEE1H0VEN~ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集』が新レコード・アカデミー賞第1回大賞を受賞。2027年4月からは東京交響楽団のクリエイティブ・パートナーを3年間務めることが決定しているほか、今年5月からは自身が創設したロマン派以降の音楽を主な対象とする古楽オーケストラ「Past Forward Ensemble」の演奏活動もスタートしている。サントリー音楽財団代表理事の堤剛氏は、「強い信念で周囲の音楽家を巻き込みながら、卓越した行動力で新しい音楽の潮流を作っていく。日本の次世代を担う音楽家たちに大きな影響を与え、これからますます存在感を発揮していく」と讃えている。

