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テアトロ・レアルがモーツァルト『フィガロの結婚』を上演へ:ステファノ・モンタナーリ指揮、ロバート・カーセン新演出

『フィガロの結婚』(W. A. モーツァルト)
マドリード、テアトロ・レアル
全レパートリーの中でも屈指の重要作であり、テアトロ・レアルなどの大歌劇場で定期的に再演されている作品である。実際、テアトロ・レアルのプログラムに『フィガロの結婚』が5年以上登場しなかったことはないと言える。同劇場で前回上演されてからわずか4年しか経っておらず、その時も今回と同様に2組の異なるキャストで上演された。
本作は素晴らしいオペラであるが、スペインの劇場で何度も鑑賞してきた中で、極めて優れた歌手陣による公演に出会う機会はなかった。今回も同様であり、用意された2組のキャストはどちらかといえば控えめな顔ぶれと言える。
【音楽監督・指揮】
ボローニャ出身のベテラン(77歳)指揮者、ステファノ・モンタナーリが務める。彼はコヴェント・ガーデンでモーツァルトの別のオペラ『ドン・ジョヴァンニ』を成功させたばかりである。マドリードで頻繁に指揮しているマエストロではなく、オペラに関しては2019年のドニゼッティ『愛の妙薬』での登壇が記憶にある程度である。以前はベルガモのドニゼッティ音楽祭で定期的に指揮していた。
テアトロ・レアル管弦楽団および合唱団が演奏を務める。
【歌手陣】
前述の通り2組のキャストが組まれており、大スターは含まれていない。
・フィガロ
第1キャストはイタリアのバリトン、ルカ・ミケレッティが発表されている。彼は昨シーズン、声楽的にはフィガロとあまり共通点のない『カルメン』のエスカミーリョ役で同劇場に出演して以来の再登場となる。声に問題はなく、常に優れた俳優である。
第2キャストはメキシコのバリトン、ヘルマン・オルベラが予定されている。『セビリアの理髪師』のフィガロ役を演じることが多く、今回のモーツァルトのオペラではフィガロよりも伯爵役を務めることが多かった。魅力的な声を持つリリック・バリトンだが、歌手として際立っているとは言い難い。
・スザンナ
第1キャストは、国際的なキャリアを築きつつあるカタルーニャのソプラノ、サラ・ブランチである。魅力的でコントロールされた声を持つリリック・ソプラノだが、声量には余裕がない。以前リセウ劇場でこの役を歌い、優れた歌唱を披露した。
第2キャストは、マドリードの国立音楽堂やテアトロ・レアルで何度も見られているイタリアのソプラノ、ジュリア・セメンザートである。声はやや小ぶりで、その点は最終幕のアリアでより顕著となる。
・アルマヴィーヴァ伯爵夫人
第1キャストで伯爵夫人のアリアを歌うのは、テアトロ・レアルにデビューするウクライナのソプラノ、オルガ・クルチンスカである。10年前にリセウ劇場の『ラ・ボエーム』で彼女を見る機会があり、当時はよりリリックなミミ役よりも軽い役柄のムゼッタ役で輝いていた。最近までスザンナ役を歌っており、数か月前のアムステルダム公演で伯爵夫人役にデビューしたばかりである。美しい声を持つが、表現者としてはやや小粒である。
第2キャストは、目覚ましい活躍を見せているデンマークのソプラノ、エルザ・ドライジヒである。ウィーン国立歌劇場でこの役を成功裏に歌ったばかりである。ミュンヘンやベルリン国立歌劇場での出演時には、批評家から「今日における最高の伯爵夫人かもしれない」と評された。さらに、この夏にはザルツブルク音楽祭の『コジ・ファン・トゥッテ』でフィオルディリージ役として称賛を浴びた。
・アルマヴィーヴァ伯爵
第1キャストはイタリアのバリトン、マッティア・オリヴィエリである。スペインの歌劇場に何度も出演している。やや明るめの声質のバリトンで、優れた歌手であり、特に俳優としての演技が際立っている。伯爵役には良い選定である。ベルリン・ドイツ・オペラで『ランメルモールのルチア』のエンリーコ役を成功させたばかりである。
第2キャストはカタルーニャのバリトン、カルレス・パチョンである。質の高い声を持ち演技力もあるバリトンだが、歌唱において声を張り上げる傾向がある。12月にはベルリン国立歌劇場で『魔笛』のパパゲーノ役として出演が予定されている。
【演出】
メトロポリタン歌劇場との共同制作による、テアトロ・レアルの新演出となる。演出を手掛けるのはカナダのロバート・カーセンであり、スペインの劇場でもその作品が数多く上演されている第一線の演出家である。
公演は2026年11月10日から27日の間に全13回行われる。
(執筆:ホセ・M・イルルスン)
