新風の調べ セイジ・オザワ 松本フェスティバルの「トゥランガリーラ」……26年8月 - 毎日クラシックナビ
音楽評論家・ジャーナリストらによる2026年8月の注目公演レビューと10月のイチオシ公演選定
芸術の秋、クラシック音楽界の新シーズン幕開けにあたり、選者(音楽評論家・ジャーナリスト)が8月に開催された公演から「ピカイチ」を、10月に予定されている公演から「イチオシ」を紹介した。
【東条碩夫(音楽評論家)選】
・8月のピカイチ:神戸市室内管弦楽団 第174回定期演奏会 喜歌劇「スザンナの秘密」(8月1日・神戸文化ホール 大ホール、小林資典指揮、森谷真理、大西宇宙、いいむろなおき出演。ストラヴィンスキー:組曲「プルチネルラ」、ヴォルフ=フェラーリ:「スザンナの秘密」)。優麗で爽やかな演奏、歌唱やパントマイムも明るく温かい味を出したと評された。
・8月の次点:フェスタサマーミューザKAWASAKI 2026 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(8月5日・ミューザ川崎、藤岡幸夫指揮、野々村彩乃出演)。ファリャ「三角帽子」全曲などの沸き立つような快演が評価された。
・10月のイチオシ:京都市交響楽団 第716回定期演奏会(10月9日、10日・京都コンサートホール、上岡敏之指揮。ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、ブルックナー交響曲第6番)。
・10月の次点:東京都交響楽団 第1054回定期B/都響スペシャル(10月21日、22日・サントリーホール、マルク・ミンコフスキ指揮。ブルックナー交響曲第8番[1887年ノヴァーク版第1稿])。
【柴田克彦(音楽ライター)選】
・8月のピカイチ:セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF) オーケストラ コンサート Bプログラム(8月29日・キッセイ文化ホール、フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ。ブルックナー交響曲第8番[ハース版])。強靭なオケの威力を生かした緊迫感漂う名演と評された。
・8月の次点(実質同率一番):東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 すみだトリフォニーホール・特別シリーズ第1回(8月13日・すみだトリフォニーホール、高関健指揮、木下美穂子、宮里直樹、大西宇宙ら出演。ブリテン「戦争レクイエム」)。精緻でピュアな音楽作りが評価された。
・10月のイチオシ:東京都交響楽団 第1053回定期B/都響スペシャル(10月9日・サントリーホール/10日・すみだトリフォニーホール、ジョナサン・ノット指揮、アンヌ・ケフェレック出演。ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番、ブルックナー交響曲第6番[ノヴァーク版])。
・10月の次点:東京都交響楽団 第1054回定期B/都響スペシャル(10月21日、22日・サントリーホール、マルク・ミンコフスキ指揮、ブルックナー交響曲第8番[第1稿])。
【池田卓夫(音楽ジャーナリスト)選】
・8月のピカイチ:佐藤正浩プロデュース いずみホール・オペラ2026「ウェルテル」(8月8日・住友生命いずみホール、佐藤正浩指揮、宮里直樹、池田香織ら出演。マスネ「ウェルテル」演奏会形式)。宮里の美声と情熱、高水準の歌唱と指揮が評価された。
・8月の次点:セイジ・オザワ 松本フェスティバル オーケストラ コンサートAプログラム(8月22日・キッセイ文化ホール、沖澤のどか指揮、務川慧悟、原田節、サイトウ・キネン・オーケストラ。メシアン「トゥランガリーラ交響曲」)。
・10月のイチオシ:新国立劇場 ロッシーニ「イタリアのトルコ人」新制作(10月2日、4日、7日、10日、12日・新国立劇場オペラパレス、アレッサンドロ・ボナート指揮、ロラン・ペリー演出、アレハンドロ・バリニャス・ビエイテス、クラウディア・ムスキオら出演、東京フィルハーモニー交響楽団)。
・10月の次点:石川県立音楽堂開館25周年記念スペシャルコンサート「森のうた」(10月22日・石川県立音楽堂、山田和樹指揮、野村萬斎、宮里直樹、加藤宏隆、オーケストラ・アンサンブル金沢ら出演。ショスタコーヴィチ「森のうた」他)。
【毬沙琳(音楽ジャーナリスト)選】
・8月のピカイチ:セイジ・オザワ 松本フェスティバル オーケストラ コンサートAプログラム(8月22日、沖澤指揮、務川、原田、サイトウ・キネン・オケ。メシアン「トゥランガリーラ交響曲」)。豪壮な響きと務川のピアノの存在感が評価された。
・8月の次点:サントリーホール開館40周年記念「時を編む響」(8月27日・サントリーホール、沼尻竜典指揮、砂田愛梨、小林愛実、成田達輝、石上真由子、東京交響楽団。カミーユ・ペパン、三善晃、武満徹、トーマス・アデス作品)。
・10月のイチオシ:新国立劇場 ロッシーニ「イタリアのトルコ人」新制作(同上)。
・10月の次点:東京都交響楽団 第1053回定期B/都響スペシャル(10月9日、10日、ノット指揮、ケフェレック独奏)。
【宮嶋極(音楽ジャーナリスト)選】
・8月のピカイチ(同率):セイジ・オザワ 松本フェスティバル オーケストラ コンサートAプログラム(8月22日、メシアン「トゥランガリーラ交響曲」)および同Bプログラム(8月29日、ブルックナー交響曲第8番)。複雑な声部を美しく聴かせた沖澤の指揮や、オケの圧倒的なポテンシャルが評価された(次点なし)。
・10月のイチオシ:N響100周年&サントリーホール40周年 プッチーニ「トスカ」(10月10日、12日・サントリーホール、ファビオ・ルイージ指揮、エレーナ・スティッキーナ、リッカルド・マッシ、アンブロジオ・マエストリ、NHK交響楽団他、演奏会形式)。
・10月の次点:東京都交響楽団 第1054回定期B/都響スペシャル(10月21日、22日、ミンコフスキ指揮、ブルックナー交響曲第8番[第1稿])。

