第2回 LPによるレーベル拡大期(1950~60 年代) その2 アメリカ・コロンビア
第2回 LPによるレーベル拡大期(1950~60 年代) その2 アメリカ・コロンビア

連載「クラシック・レコードレーベルと演奏家・録音の100年」の第2回は、米コロンビアのモノラルLP時代を振り返る。同社はLP開発の功績に加え、新たなメディアでレコードの可能性を広げた。
指揮者ではブルーノ・ワルターとユージン・オーマンディが中心だった。ワルターはニューヨーク・フィルとハイドンからブラームスまでのドイツ王道作品を録音。ベートーヴェンの交響曲全集やブラームスの交響曲全集、モーツァルトの交響曲集などが代表的である。また、1955年の『演奏の誕生』など、リハーサル風景を収めた特典盤も制作した。オーマンディはフィラデルフィア管弦楽団と近現代作品を大量に録音し、首席奏者による小品集『ファースト・チェア』なども制作した。
ディミトリ・ミトロプーロスはニューヨーク・フィルとベルクの歌劇《ヴォツェック》やショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を録音。現代音楽ではロバート・クラフトによる「ウェーベルン作品全集」や、ジュリアード弦楽四重奏団によるバルトークの弦楽四重奏曲全集などが歴史的価値を持つ。ブダペスト弦楽四重奏団はベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集を完成させた。
ピアノではロベール・カサドシュがラヴェルの独奏曲全集を、ルドルフ・ゼルキンがドイツ王道レパートリーを録音。ジノ・フランチェスカッティはカサドシュとのデュオや、パガニーニ、サン=サーンス、メンデルスゾーン、チャイコフスキーの協奏曲で人気を博した。
オペラ録音については、メトロポリタン歌劇場と契約しプッチーニ作品などを制作したが、成果が上がらず1954年に契約を打ち切った。また、トマス・ビーチャム指揮ロイヤル・フィルのロンドン録音や、パブロ・カザルスを中心とするプラード音楽祭のシリーズなど、ヨーロッパでの録音も行われた。