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🇯🇵 日本オーケストラレコ芸ONLINE · 2026年6月9日 11:31 · ニュース· 約2分で読めます

[作品解説] ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68

[作品解説] ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68

日本語要約
ブラームスが1876年に完成させた交響曲第1番の作品解説。着想から完成まで20年以上の歳月を要した本作は、ベートーヴェンの影響を色濃く受けつつも、独自の革新性を備えた名作である。初演時のエピソードや、序奏部の成立過程、各楽章に見られる音楽的特徴、指揮者による改変の歴史などを詳述する。
全文(日本語)

特別企画シリーズ「ブラームス 4つの交響曲」の一環として、1876年11月4日の初演から150年を迎える交響曲第1番を解説する。

【作品データ】

作曲:1862年(以前)~1876/77年(初演後に第2、3楽章を改訂)

初演:1876年11月4日、カールスルーエにて、オットー・デッソフ指揮、バーデン大公宮廷管弦楽団

出版:1877年、ジムロック社

編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット1、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ1、弦5部

演奏時間:約42分

【作品背景と分析】

本作は、ベートーヴェンの交響曲第5番と同じハ短調を採用し、「苦悩から勝利へ」というプログラムを継承している。ハンス・フォン・ビューローからは「ベートーヴェンの第10番」と称賛された。有名な序奏部は、第1楽章脱稿時には存在せず、後に付け加えられたものである。この序奏部は全曲の素材を濃縮しており、作品の構造において重要な役割を果たす。

音楽学者の野本由紀夫は、本作をベートーヴェンをモデルとしつつも、作曲技法上は第3番『英雄』に近く、保守的ながらも革新性を備えた作品と分析している。また、西原稔はブラームスを「近代の総括者」と評した。初演当時、絶対音楽派と標題音楽派が対立する中で、ブラームスが交響曲を完成させることへの期待と焦りがあったと指摘されている。

【影響関係と演奏史】

第1楽章にはシューマンの劇音楽『マンフレッド』序曲の影響が指摘され、第3楽章には「運命の動機」が、第4楽章にはアルペンホルンを模した調べや、ベートーヴェンの『第九』を想起させる主題が含まれる。ブラームス自身は『第九』との類似を指摘された際、皮肉を込めて反論したエピソードが残る。

第2楽章には初演時に演奏された別稿が存在し、新原典版ブラームス全集に補遺として収載されている。また、伝統的に指揮者によって楽譜の改変(ホルンの補強やティンパニの打音追加など)が行われてきた箇所があり、これらは演奏解釈の歴史において重要なポイントとなっている。

▼関連キーワード解説 (5)
ブラームス人物・団体Wikipedia ↗

ヨハネス・ブラームス は、ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者。J.S.バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)と共にドイツ音楽における三大Bとも称される。ハンブルクに生まれ、ウィーンに没する。作風は概してロマン派音楽に属するが、古典主義的な形式美を尊重する傾向も強い。

オットー・デッソフ人物・団体Wikipedia ↗

フェリックス・オットー・デッソフ は、ドイツの指揮者・作曲家。単にオットー・デッソフとも呼ばれる。

ハンス・フォン・ビューロー人物・団体Wikipedia ↗

ハンス・ギードー・フライヘア・フォン・ビューロー は、ドイツの男爵で指揮者、ピアニスト。現在の職業指揮者の先駆的存在で、ビューローが登場するまで、作曲家と演奏家の分業化は明確でなく、オーケストラの指揮は作曲家自身によることが多かった。

ハンスリック人物・団体Wikipedia ↗

エドゥアルト・ハンスリック は、プラハに生まれウィーンで活躍した音楽評論家。リヒャルト・ワーグナーを痛烈に批判し、ヨハネス・ブラームスを支持した。主著に『音楽美について』(1854年、邦訳は末尾)があり、オペラは高揚的意図を持ってなされるために、音楽的美意識を損なわせていると、当時のオペラに対し批判を繰り返し、音楽の自律的価値基準の復活を主張した。また、一般的に絶対音楽擁護/標題音楽否定の人物として知られているが、『音楽美について』および彼の評論の多くには、そのようなイデオロギーを有していないことが確認できる。

シェーンベルク人物・団体Wikipedia ↗

アルノルト・フランツ・ヴァルター・シェーンベルク は、オーストリアの作曲家、指揮者、教育者。調性音楽を脱し無調に入り、「十二音技法」を創始したことで知られる。アメリカに帰化してから1934年以降は、「アメリカの習慣を尊重して」"ö"(o-ウムラウト)を"oe"と表記したSchoenbergという綴りを自ら用いた。アメリカでは「アーノルド・ショーンバーグ」と呼ばれた。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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