Prokofiev: Symphony No. 6 & Silvestrov: Silent Music Aarhus Symphony Orchestra, Dmitry Matvienko OUR Recordings
ドミトリー・マトヴィエンコ指揮オーフス交響楽団によるプロコフィエフ第6交響曲とシルヴェストロフ「静寂の音楽」の新譜がリリース
ドミトリー・マトヴィエンコは、エレクトロテアトル・スタニスラフスキーでの上演からスヴェトラーノフ記念ロシア国立交響楽団との演奏会までロシアで多くの実績を残し、声楽四重奏団「N’Caged」のソリストとしても知られていたが、その後ヨーロッパでの客演を重ね、デンマーク第2の都市にあるオーフス交響楽団の首席指揮者に就任した。2024年秋に同団と初共演し、2025年夏に初のディスクを録音、2026年春に設立20周年を迎えたデンマークのレーベル「OUR Recordings」からリリースされた。
オーフス交響楽団がアルバムを出す頻度は高くなく、通常はニールセン、リーサゲル、ノーゴーといった同国の作曲家の音楽や、ブルックナーの交響曲第9番(デンマーク出身のノルス・ヨセフソンによる新フィナーレ版)などを取り上げている。マトヴィエンコは初の録音として、デンマークでは珍しいものの自身に近い作品であるプロコフィエフの交響曲第6番とシルヴェストロフの「静寂の音楽」を選んだ。
解説文ではこのプログラムに政治的・地理的な理由付けを行っているが、マトヴィエンコは歴史的・時事的な文脈から離れて演奏している。客観的で争いを超越しているとされるプロコフィエフを、主観的で神経質、戸惑いのある作家として解釈する。第1楽章では急速なテンポをとり、終わりのない旋律の迷宮に迷い込んだかのようなプロコフィエフを描き出し、副主題や静けさを伴うエピソードは落ち着きと重み、明確な休止をもって演奏し、エピソード間のコントラストを際立たせている。
第2楽章では、比較的小規模なオーケストラ編成から重厚な響きを引き出し、絶え間ない幻惑感を与える。弦楽器群の乱れや、短いながらも複雑な多数のソロの仕上げ不足が印象を損ねている部分もある。特にフィナーレでは、鈍い応答が急速な動きに静的な性質を与えている。演奏の欠点と見なされ得る要素が、予期せず交響曲第6番の本質へと近づけている。
解決や結末を見出せない3つの優しく悲しい断章からなるヴァレンティン・シルヴェストロフの「静寂の音楽」では、マトヴィエンコと録音技師のプレベン・イヴァンが対旋律や微細な余韻に耳を傾けている。大編成のための重厚な交響曲と弦楽のための壊れやすい三部作という両作品は、最終的に「戸惑い」という一つのテーマを語り始める。解説文では「悲しみを一時棚上げできる避難所」を提供すると説かれているが、デンマークのオーケストラによる「静寂の音楽」の演奏は、悲哀そのものとなっている。
