ピアニスト務川慧悟が語る ワインと音楽#3 音楽もワインも深めるほどに味わいが増す
ピアニスト務川慧悟が語る ワインと音楽#3 音楽もワインも深めるほどに味わいが増す

日本語要約
ピアニストの務川慧悟が、ワインと音楽の共通点について語る連載の最終回。知識を深めるための順序の重要性、作曲家を尊重する演奏家のあり方、そして長い時間をかけて熟成されることの価値について、自身の哲学を述べている。
全文(日本語)
ピアニストの務川慧悟が、ワインを知ることの奥深さと音楽に通じる点について語る連載の最終回。本稿では、音楽とワインの共通点である「長い時間をかけた熟成」について掘り下げている。
務川は、音楽とワインはどちらも表面に触れるだけで価値がありカジュアルに楽しめる一方、望めばどこまでも深く入り込める世界であると語る。知識には「広さ(横)」と「深さ(縦)」があり、深めるためには重力のように必ず順序が存在し、時間をかけて掘り下げる必要があると説く。ピアノの演奏においても、楽器の構造や奏法のルールを深く学ぶことが本質への道であり、聴衆にとっても様々な演奏に触れることで「音色の地図」が描かれると述べる。また、再現芸術において作品と聴衆をつなぐ奏者としての責任の重さについても言及した。
ワイン製造における「ワイン法」が産地の特徴を尊重するように、演奏家も作曲家とその作品を尊重すべきであると務川は語る。自身は、作曲家の思いに肉薄し、人格に憑依するような「良い脇役」でありたいという姿勢を示す。
最後に、ワインの熟成が持つ深みについて触れ、科学技術でも短縮できない化学反応の順序があるように、ピアニストの熟成にも長い年月と修練が必要であると語った。務川は、聴衆とともに自身の音楽を深めていきたいと結んでいる。
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