Alastair Macaulay: An American apotheosis at BBC Proms
アラステア・マコーレーによるBBCプロムスでのアメリカ音楽特集とメトロポリタン歌劇場管弦楽団の公演評

【I:BBCプロムスでのチネケ・オーケストラとエンジェル・ブルーによるアメリカ音楽】
BBCプロムスの今シーズンは、アメリカ合衆国建国250周年を記念し、アメリカ音楽が通奏低音となっています。アメリカの作曲家と演奏家がその役割を担っています。8月22日(土)、アメリカのソプラノ歌手エンジェル・ブルー、指揮者ジョナサン・ヘイワード、そしてチネケ・オーケストラが、サミュエル・バーバーの歌曲集『ノックスヴィル:1915年の夏』を演奏し、続いてガーシュウィン、ポーター、アーレン、バーリンによる名曲を披露しました。アルバート・ホールでは(最近の他の声楽公演と同様に)、ジェームズ・エイジーの詩による歌曲集の歌詞がうまく伝わらなかったのは残念です。チネケ・オーケストラは2015年に設立され、黒人や多様な民族的背景を持つ音楽家が過半数を占めるヨーロッパ初のプロオーケストラです。後半にはドヴォルザークの交響曲第8番を演奏しました。また、コンサートの冒頭では、エドマンド・ソーントン・ジェンキンスの『ダンス組曲』(1918年)がタファス・ジンバブエの編曲により世界初演されました。
【II:ジャーミン・ストリート劇場での『A Slow Fire』】
8月25日(火)、サイモン・スティーブンス作の演劇『A Slow Fire』が上演されました。アシュトン(ロス・ゲイナー)とリース(フィオン・オ・ロンシー)という二人のアイルランド人が、社会から隔絶されたバンカーで過去や想像上の場面を演じ合う物語です。しかし、演出のレックス・ライアンを含め、劇中の「演技」の境界が不明瞭で、劇場の規模に対して声が大きすぎるなど、ドラマの深まりを欠く結果となりました。
【III:メトロポリタン歌劇場管弦楽団によるリヒャルト・シュトラウス】
8月26日(水)、ヤニック・ネゼ=セガン指揮、メトロポリタン歌劇場管弦楽団によるリヒャルト・シュトラウス・プログラムが開催されました。『ばらの騎士』組曲、『サロメ』終幕(エルザ・ファン・デン・ヒーヴァーがタイトルロール)、そして交響詩『英雄の生涯』が演奏されました。ネゼ=セガンはシュトラウスの音楽の複雑さを楽しんでおり、その情熱的な指揮は楽団員にも伝播していました。