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🇩🇪 ドイツオペラレコ芸ONLINE · 2026年8月1日 10:04 · レビュー· 約1分で読めます

【連載】プレルーディウム 第21回/舩木篤也

【連載】プレルーディウム 第21回/舩木篤也

日本語要約
音楽評論家・舩木篤也氏による連載。2026年に開場150年を迎えるバイロイト祝祭劇場をテーマに、ワーグナーが意図した劇場建築の特殊性と、現代の演出(バウムガルテン、AI演出等)との乖離について考察する。また、同劇場の音響的特徴を、1962年録音のサヴァリッシュ指揮《ローエングリン》を例に解説する。
全文(日本語)

音楽評論家・舩木篤也氏の連載「プレルーディウム」第21回。今回のテーマは、2026年に開場150年を迎えるバイロイト祝祭劇場とその使われ方についてである。

筆者は、バイロイト祝祭劇場がバイエルン州の建築記念財として保護されていることに触れつつ、現在の同劇場が正しく使われているかという疑問を呈する。2011年のゼバスティアン・バウムガルテン演出《タンホイザー》では、舞台上に観客席を設ける演出がなされたが、筆者はこれがワーグナーの意図した「没入型」の劇場設計と対極にある「ブレヒト的」な手法であり、違和感を覚えたと述べる。ワーグナーは、観客を「予言者の熱狂的状態」に置くために、オーケストラピットを隠し、プロセニアムを工夫して舞台を遠くに見せることで、人物を拡大して見せる幻影空間を設計した。

さらに、2023年からの「ARゴーグル」を用いた《パルジファル》や、2026年のAI演出による《ニーベルングの指環》といった近年の試みについても言及。テクノロジーの活用自体は否定しないものの、それらが「バイロイトのワーグナー」と言えるのかと問いかける。

筆者が今なおバイロイトに惹かれる理由は、オーケストラピットという独自の仕掛けにある。指揮者の姿が見えず、舞台下にもぐり込む構造のピットから生まれる間接音は、他では体験できない独特の響きをもたらす。この響きを追体験する音源として、1962年録音のヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、バイロイト祝祭管弦楽団による《ローエングリン》を挙げ、その音響的特徴を解説している。最後に、ワーグナーが目指した「理想界」のなかに残る「人間の痕跡」こそが、バイロイトの魅力であると結んでいる。

▼関連キーワード解説 (5)
ヴォルフガング・サヴァリッシュ人物・団体Wikipedia ↗

ヴォルフガング・サヴァリッシュ は、ドイツ、バイエルン州ミュンヘン生まれの指揮者・ピアニスト。

ジェス・トーマス人物・団体Wikipedia ↗

ジェス・トーマス は、アメリカ合衆国のテノール歌手。

アニヤ・シリヤ人物・団体Wikipedia ↗

アニャ・シリヤ は、ドイツのソプラノ歌手。

アストリッド・ヴァルナイ人物・団体Wikipedia ↗

イボリカ・アストリッド・マリア・ヴァルナイ は、ハンガリー系アメリカ人の声楽家。特にワーグナーやリヒャルト・シュトラウスの主役を歌う代表的なドラマティック・ソプラノの一人として、主にアメリカとドイツのオペラの舞台で活躍した。スウェーデン生まれでドイツで亡くなっている。先輩のキルステン・フラグスタートや後輩のビルギット・ニルソンに比べて日本での知名度は低いが、それは録音嫌いのためであり、戦後のバイロイト音楽祭の最も重要な歌手といわれている という。名前はドイツ語読みでアストリットまたはアストリートと表記される場合がある。

ラモン・ヴィナイ人物・団体Wikipedia ↗

ラモン・マリオ・フランシスコ・ヴィナイ・セプルベダ は、チリ生まれのオペラ歌手。1940年代から60年代にかけてテノールおよびバリトンの両声域で活躍した。特にヴェルディ『オテロ』に多く出演したことで有名。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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