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🇮🇹 イタリア声楽Forum Opéra · 2026年8月26日 13:01 · レビュー· 約3分で読めます

Concerto di belcanto, Simón Orfila – Pesaro

ペーザロでベルカント・コンサートに出演したバス・バリトン歌手シモン・オルフィラ

日本語要約
スペイン出身のバス・バリトン歌手シモン・オルフィラが、ペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバルにて「ベルカント・コンサート」を開催した。ピアニストの林直樹が伴奏を務め、スペインの歌曲からロッシーニのオペラ・アリアまでを披露。オルフィラはヴェルディ作品での力強い歌唱や、ロッシーニ作品でのコミカルな表現を通じて、自身の持ち味である「歌い、笑わせる」という情熱を体現した。
全文(日本語)

「歌い、笑わせる」こと。これこそがシモン・オルフィラの二つの情熱であり、ロッシーニ・フェスティバルの参加者にとってお馴染みの「ベルカント・コンサート」(今年は午後の開催ではなくランチタイムに行われた)の場で、ペーザロにて主張され、実践された。

バレアレス諸島出身のこのバス・バリトン歌手は、イタリアのレパートリーを中心に国際的な大舞台でキャリアを築いてきたスペイン人歌手の世代に属している。メノルカ音楽院で学び、その後マドリードのソフィア王妃高等音楽院でアルフレード・クラウスに師事し、若くしてデビューした。1998年、21歳の時に『ノルマ』のオロヴェーゾ役でリセウ大劇場との最初の契約を勝ち取った。

その後の活躍は、ロンドンからミラノ、ナポリ、パリ、ベルリンに至るまで、そしてスペイン国内でも多くの舞台に立ち、『愛の妙薬』のドゥルカマーラ、『ドン・ジョヴァンニ』のレポレッロ、『セビリアの理髪師』のフィガロ、『ドン・パスクワーレ』、あるいは『チェネレント』のアリドーロなどを演じてきた。ロッシーニは得意分野ではあるものの、ペーザロでの出演はこれまで『マティルデ・ディ・シャブラン』(2012年)のジナルド役や『ウィリアム・テル』(2013年)のワルター役といった限定的なものにとどまっていた。

今年、『コリントの包囲』の新制作でイエロスを歌った後、彼は4回行われる「ベルカント・コンサート」のシリーズを締めくくった。伴奏を務めたのは、若き日本人ピアニストの林直樹で、その極めて高い技巧はリストの2曲の演奏を通じて披露された。選曲は、スペインの歌曲をアルファ(始まり)とし、ロッシーニをオメガ(終わり)とする、歌手の全体像を描き出すものとなった。

シモン・オルフィラは自身のイベリアのルーツを否定できるだろうか。フェルナンド・オブラドルスがカタロニア語の詩に作曲した『つばめ』から、その声は胸を張り、まるでテアトロ・ロッシーニがスタッド・ド・フランスであるかのように、会場に大きく誇らしげに響き渡った。この豊かな声量は、歌曲よりもオペラに適している。後に歌われたトスティも、同様の非常に主張の強い発声であり、サロン音楽特有の優雅さや洗練が欠けていた。

その硬質で鉱物的な音色は、ヴェルディを花崗岩のように彫り上げる。『ドン・カルロ』のバンコやフィリップ2世は、その明らかな声の長さで石から直接削り出されたかのようである。低音も高音も容易にほとばしり、強調すべき箇所では堅固、あるいは破壊的なまでに響く。スペイン国王の実存的な苦悩や、スコットランドの将軍の静かな恐怖といった内面は、力の意志以外には何も表出されない。表現は、何よりもまず存在感と権威を優先している。

最終的に、ロッシーニにおいて表現の幅が広がった。アリドーロ役ではまだ柔軟性と劇的な真実を模索している段階であったが、ドン・バジリオ役では、最初はほのめかされることで、次にはアンコールでのムスタファ役として、征服的で、虚勢を張り、滑稽で、楽しませるような、より響き渡る「中傷」を披露した。歌いながら笑わせるという、シモン・オルフィラはついにその賭けに勝利した。

原文(抜粋)
« Chanter et faire rire » : telles sont les deux passions de Simón Orfila , revendiquées et mises en œuvre à Pesaro le temps d’un de ces concerti de belcanto qui jalonnent le parcours du festivalier rossinien (cette année non plus l’après-midi mais à l’heure du déjeuner). Originaire des Baléares, le baryton-basse appartient à cette génération de chanteurs espagnols dont la carrière s’est construite autour du répertoire italien sur les grandes scènes internationales. Formé au Conservatoire de Minorque puis à la Escuela Reina Sofía de Madrid auprès d’Alfredo Kraus, il a débuté jeune. Son premier contrat au Liceu – Oroveso dans  Norma, excusez du peu ! –, il le décroche en 1998, à l’âge de 21 ans. La suite – Dulcamara, Leporello, Figaro, Don Pasquale ou encore Alidoro… – s’écrit de Lo
▼関連キーワード解説 (6)
アルフレード・クラウス人物・団体Wikipedia ↗

アルフレード・クラウス・トルヒージョ は、スペインのテノール歌手。20世紀後半のもっとも偉大なリリコ・テノール歌手のひとりとされる。

林直樹人物・団体Wikipedia ↗

林 直樹 は、日本の医学者、精神科医。博士(医学)。

リセウ大劇場会場Wikipedia ↗

リセウ大劇場(Gran Teatre del Liceu)はスペインのバルセロナに所在するオペラ劇場。バルセロナの目抜き通りランブラス通りのちょうど中間点に位置し、同都市を代表する観光スポットの一つである。従来スペインはオペラでもクラシック音楽でも傍流扱いされることが多かったことから注目度は決して高くなかったが、21世紀に入る前後から実力派のオペラハウスとして急浮上。ドイツオペラ、イタリアオペラ、フランスオペラとマルチに高水準の上演を行う団体として、近年は同劇場で様々なDVDやCDが収録されている。通称 "El Liceu"(エル・リセウ)。

ノルマ作品Wikipedia ↗

ノルマ とは、ソビエト連邦で社会主義企業において労働者に課せられる標準作業量。ソ連労働法では、労働ノルマのうち、時間ノルマ、および生産高ノルマを指した。

愛の妙薬作品Wikipedia ↗

『愛の妙薬』(あいのみょうやく)は、ガエターノ・ドニゼッティが作曲、1832年に初演された全2幕からなる喜劇的オペラである。テノールとソプラノの主役カップルにバリトンとバスの計4人で出番の大部分を占め、他に脇役ソプラノ1人、合唱というシンプルな人物構成で、4人までは充分に見せ場、聴かせ場が与えられているため、スター歌手の顔見世公演にも適している。原語曲名:L'elisir d'amore 台本:フェリーチェ・ロマーニ、もともとはスクリーブがオベールのために書いた『媚薬』"Le philtre" の台本による 初演:1832年5月12日、ミラノのカノッビアーナ劇場 にて

ドン・ジョヴァンニ作品Wikipedia ↗

『ドン・ジョヴァンニ』 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1787年に作曲したオペラ・ブッファ(あるいはドラマ・ジョコーソ)である。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
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